■~市立文学館収蔵品紹介~石塚倉子(いしづかくらこ)『室八嶋(むろのやしま)』 5冊
石塚倉子(貞享3年〔1686〕~宝暦8年〔1758〕)は、下野国都賀郡富吉村(現在の栃木市藤岡町)の裕福な農家の娘として生まれました。宝暦3年(1753)に同郡山田村(現在の栃木市大平町西山田)の清水寺に和歌5首を献納し、宝暦6年(1756)歌集『室八嶋』を出版しました。
『室八嶋』は、伝統的な和歌集の編成である「春(はる)・夏(なつ)・秋(あき)・冬(ふゆ)・恋(こい)・雑(ぞう)」を踏襲しつつ、下野・上野を旅した「日光紀行(にっこうきこう)」、「妙義紀行(みょうぎきこう)」、「館府八景(かんぷはっけい)」の紀行文を付け、「機樹百詠(きじゅひゃくえい)」と「釈神祇(しゃくじんぎ)」、「賀(が)」を加えた10巻5冊の構成になっています。
倉子は、季節の歌を得意とし、「春しゅんじゅうてい秋亭」と号しました。年代的に直接交流がなかった喜きたがわ多川歌うたまろ麿による「近きんだいしちさいじょしいか代七才女詩歌」に「下しもつけむろのやしまくらこじょ野室八嶋倉子女」として取り上げられるほど知名度と実力があったと考えられます。
展示:2階常設展示室
開館時間:9時30分~17時(入館は16時30分まで)
休館日:
・毎週月曜日(祝日の場合は開館)
・祝日の翌日(土曜・日曜・祝日の場合は開館)
・年末年始(12月29日~1月3日)
*企画展の料金で常設展もご覧いただけます
*( )内は20名以上の団体割引料金
*身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方とその介助者1名は無料
*毎月第3日曜日は、「家庭の日」として中学生以下の同伴者2名まで観覧無料
問合せ:栃木市立文学館
【電話】25-5400
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