■どうしたら若者が真岡に残るか
市長:若者会議では、高校生も交えて「若者ミーティング」を行ってますが、若者が真岡に残る(戻ってくる)には、何が必要だと思いますか?
加藤:フリーで勉強したり仕事したりできるシェアオフィスのような場所があれば便利だと思います。Wi-Fi(インターネットができる)環境があってパソコンも利用できて、レンタルスペースで打ち合わせをしたり。自宅ではできない人も多いと思います。
市長:学生さんの勉強なら市役所2階の青空ステーションも利用してもらっていますが、市役所の近くに現在整備中の複合交流拠点施設がそれに近いですかね。令和7年春にオープン予定ですが、飲食しながら使える自由な空間があるほか、学習室や会議室もあり、図書については幼児向けの絵本から研究用の専門書まで取りそろえる予定です。
木村:自分としては、やはり公共交通の利便性ですね。車を持っていない学生さんからの要望も多かったです。例えば、電車やバスに自転車を持ち運べるようにすれば便利になるとか、レンタサイクルがあちこちにあって自由に乗れたら使ってみたいとか…。
市長:自転車の利用支援もアイデアの1つですね。以前から公共交通の課題はあって、真岡市では、市街地循環型の「いちごバス」に加えて、今年から周辺地域と中心市街地をつなぐ「もおかベリー号」も走るようになりました。雨の日や塾通いなど、中高生が利用するケースも増えているようです。複合交流拠点施設もそうですが、若い人が集まれる場所を作るだけでなく、それを取り巻く公共交通も充実させなければなりませんね。
■市制70周年で歴史の再認識を
市長:今年は市制施行70周年を迎えるにあたり、真岡市をPRするさまざまな記念事業を企画しています。この機会に真岡の歴史をもっと知ってもらいたいですね。先日訪問したオーストラリアのハーヴィー市では、行事の際に必ず先住民に感謝の気持ちを伝える儀式があり印象的でした。日本でもそれぞれまちや家庭に歴史があるのだから大切にしてほしいと思います。
木村:私は専門的な販売をしていて、生活様式や価値観の変化により物品も変わりつつあるのですが、その中で文化が廃れてきているように感じています。私たち若者ももっと歴史を学び、正しい文化を伝えたいですね。
加藤:私が研究していた小学校では、タブレットで体調管理や悩み相談が行われていて、「頼れる人をつくる取り組み」が行われています。自分が住む近くに信頼できる人、尊敬できる人がいると、地域への興味や地元への愛着につながると思います。
■「選ばれるまち真岡」を目指して
市長:加藤さん、就職では地元も考えますか?
加藤:まだ決めていませんが、ずっと真岡暮らしなので一度は外へ出てみたい気持ちもあります。周りの友達に聞いても、IT系企業など東京の方が選択肢は多いとか…都会的な仕事への憧れもあると思いますね。
池田:実際に子育てしてみての感想ですが、真岡市の住環境はとても良いと思いますよ。子育て支援も充実しています。
市長:一度外へ出ると、故郷を客観的に見ることができるメリットもありますね。都会へ行っても、また戻ってきてほしいですね。工業団地の仕事も、昔と違って今はIT化が進んでいますよ。農業もそうだよね。
池田:そうですね。うちはまだまだですが、新規就農される方など、苗の生育や温度調整など、IT技術を積極的に導入しています。現場の様子などを学生の皆さんにも知ってもらいたいですね。また、学生さんだけでなく、木村さんのように商業系の方とも交流・連携することで、新たな発想やサービスが生まれ、地域の活性化にもつながると思います。
木村:自分たちの活動が地域の活性化につながり、多くの人が地元を好きになってくれたらうれしいですね。70周年の記念行事にも積極的に関わっていきたいと思います。
加藤:若者会議では多様な業種の方々と交流させていただき勉強になっています。自分の将来についてもよく検討したいと思います。
市長:令和6年は皆さんの活動にも注目ですね。若者会議のメンバーにもよろしくお伝えください。一緒に真岡市を盛り上げていきましょう。本日はありがとうございました。
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