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あの日あのころ 第421回

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栃木県真岡市

■大原文雄(おおはらふみお)さん(物井在住・75歳)
四季を楽しみながら過ごす真岡暮らしが大好きです

私は昭和24年、物井で生まれ、5人きょうだいの長男として育ちました。当時、日本は戦後の第1次ベビーブームで、近所でも子どもがたくさんいた時期でした。姉によく手を引かれて通った母校の物部小学校では、ひと学年だけでも200人ぐらいの児童がいてとてもにぎやかでした。また、休み時間や放課後には、友達と侍ごっこやゴム銃で遊び過ごした思い出があります。
中学を卒業後、真岡農業高校(現・真岡北陵高校)の畜産科へ進学しました。高校では農業クラブの会長を務め、県内各校の代表生徒との交流もあり充実していました。家が農家だったので、帰宅後は両親の農作業を手伝っていました。
高校を卒業後、家を継ぎ、自身でいちごやキュウリの栽培をしました。途中から養豚業に切り替えて40年ほど続けました。思い出と言えば、楽しいことを企画するのが好きだったので、子どもが小学生の頃、校庭で豚を丸焼きにして子どもたちに食べてもらうイベントを考えました。
焼きたての肉を子どもたちがおいしそうに頬張ってくれてうれしかったですね。また、学童野球のチームを友人と作ったり、近所の子どもたちを連れて野球観戦や海水浴へ行くなど、仕事の傍ら、子どもとの時間も大事にしていました。一方、大変なこともありました。それは東日本大震災の影響で断水が続いた時です。家畜の飲み水を確保するため、庭の古井戸から水をくみ上げ、井戸と畜舎を1日に何十回も往復しました。また、自宅の屋根瓦が崩れてしまい、自ら屋根の応急措置を行うなど、大変な時期でしたが、やり遂げた充実感があり、人生の中で一番思い出に残っています。
現在では、無農薬の野菜や味噌づくり、庭の植木の手入れ、磯山の散歩、温泉などを楽しみながら過ごしています。これからも家族の健康を第一に、身近な自然を大切にしながら過ごしていきたいと思います。

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