文字サイズ
自治体の皆さまへ

【認知症特集】つながる・認める・支えあう(1)

2/46

栃木県足利市

~認知症とともに生きる~

「認知症は自分には関係ない」と思っていませんか。
認知症は誰にでも起こり得る脳の病気です。高齢者だけではなく、若年で認知症になる方もいます。自分自身や家族が、ある日突然認知症を患うかもしれません。
認知症になっても希望を持って日々を過ごせる社会をつくっていくために、認知症について一緒に考えてみませんか。

■つながりから絆へ
~認知症の妻がつないだ絆~
認知症を患う奥さんを介護された齊藤さんと、当時ケアマネジャーを担当された蓼沼さんにお話を伺いました。※文中敬称略。

◇気付きから相談まで
齊藤:妻(幸子(さちこ)さん)は元建築士で几帳面な性格でした。子どもが社会人になってからは妻と2人で出かけることも増え、定年退職したらいろいろな場所へ行こうと話していたところで、認知症と診断されました。
妻の様子に変化があったのは平成26年頃で、物忘れというより行動の変化がありました。缶ビールが押入れの布団の間にあったり、「時間がかかるから」と早い時間に料理をしたり。妻自身が認知症で病院を受診することに抵抗があったため、病院へ行くまで半年ほどかかりました。認知症と診断されてからは病気を知るためたくさんの本を読みましたが、良くないことも書いてあり、また、妻の症状はだんだんと悪くなっていたことも重なりとても不安な気持ちでいっぱいでした。
蓼沼:地域包括支援センターに齊藤さんから初めて連絡があったのが平成29年11月頃。長男さんからの連絡でした。齊藤さんが家に人を入れる決心がつかず、実際に訪問できたのは年明けの1月。当時の誠さんと幸子さんは疲れ果て、ようやくSOSを出したという様子でした。誠さんは自分で何とかしなきゃという気持ちで一生懸命に頑張っていましたが、「お二人のことを私に話してください」と伝え続けました。

◇たくさんの人とのつながり
齊藤:蓼沼さんとの出会いは妻にとっても良い影響がありました。地域包括支援センターへ相談をしてから、近所の方にも認知症のことを伝えるようになりました。一人で歩いている姿を見かけたら声をかけてほしいとお願いすると、周りの人は快く引き受けてくれました。雨の中、傘を差さずに駅で歩いていた時には、高校生が交番に連絡してくれたこともありました。人とのつながりはとても助けになると実感しました。

◇頼れる人との出会い
齊藤:妻が認知症と診断されてから昨年亡くなるまでの日々は大変なことが多かったですが、「今日は笑った」「問いかけに答えてくれた」などの喜びもあり、苦しいことばかりではありませんでした。出かけたりして気分転換をしながら介護で頭いっぱいにしないことが大切。ケアマネジャーがいることでそういった気持ちになることができました。蓼沼さんは『ケアマネジャー』であることを意識させない、なんでも相談できる『蓼沼さん』という存在になりました。
蓼沼:悩みがあっても周りの人に相談するまでが難しい。だからこそ、介護従事者や医療従事者の方々、地域の皆さんに気付いてほしい、察してほしい、つなげてほしいと思います。認知症になられた本人だけでなく、ご家族にもサポートが大切だと思っています。
齊藤:認知症は症状に個人差があったり家族構成によっても向き合い方が変わると思います。独りで抱え込まず、誰かに相談してみてください。周りとの関りによって、良い息抜きにもなりますし、家族と過ごす時間がより充実したものになると思います。

問合せ:元気高齢課
【電話】20-2246

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU