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温故知新25

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栃木県足利市

足利ゆかりの文化財の取得について
早川 尚秀

この度、公益財団法人足利市民文化財団と本市が協力して、名刀『山姥切国広(やまんばぎりくにひろ)』の取得に向けたプロジェクトを進めていくことになりました。
プロジェクト名は『山姥切国広縷縷(るる)プロジェクト~美しき名刀に魅せられた人々の想いを未来へ~』。この『縷縷』とは『細く、長く、途切れることなく続くさま』という意味があります。9月1日からクラウドファンディングの募集を開始します。
この刀剣の正式な名称は『九州日向住國廣作(きゅうしゅうひゅうがじゅうくにひろさく)』(号 山姥切国広)。1590年に足利長尾氏6代目当主顕長(あきなが)が、刀工・国広に命じて作らせたもので、国広の最高傑作といわれる稀代(きだい)の名刀です。
過去2回、本市立美術館での展覧会を通して結ばれたご縁と信頼関係のもと、所有者様から譲渡についての相談があり、多方面での調整を丁寧かつ慎重に進めてきました。
刀剣有識者による外部評価委員会に評価を依頼したところ、「重要文化財の中でも非の打ち所がない優れた作品」「国宝級と言っても過言ではない」「ゆかりの文化財をその地で守り伝えていくことが理想の姿であり、この機を逃さず譲り受けを検討すべき」という意見があり、3億円が妥当との評価をいただきました。取得資金の内訳は、財団資産から2億円、本市がクラウドファンディングや寄附(きふ)を活用して募る1億円を予定しています。
本文化財は、同財団所有の脇指『布袋国広』とともに、本市の歴史文化を語る上で欠くことのできない重要な史料です。今回の取得により、大小二振の刀剣が生誕地の足利で一緒に生きていくことになります。足利学校で打たれたと言われる本市ゆかりの貴重な文化財を、未来永劫(えいごう)この地で大切に守り、引き継いでいくことも、今を生きる私たちの使命であろうとの考えで財団の皆さまとも一致いたしました。
長年に渡り人々に愛されてきた美しき名刀を、財団と共に大切に守っていきたいと考えています。皆さまのご理解とご支援をよろしくお願い申し上げます。

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