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温故創新

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栃木県足利市

足利市長 早川尚秀

■空き地で起こっている問題
本市が解決しなければならない諸課題の一つに、空き家対策と同様に『空き地』についての問題があります。
特に困難なケースとして、土地所有者が市外に居住していることから、土地の管理が全くされていない、というものです。このような土地では雑草が生い茂ってしまい、ゴミを捨てられたり、大量の虫が発生したりするだけでなく、高く生い茂った雑草で道路交差点の見通しが悪くなり、交通事故が発生してしまったケースもあり、地域に多大な迷惑となっているのが実情です。
このような放置されている土地について、周辺住民の方々から「市で草刈りをしてほしい」という要望が市役所に寄せられます。しかし、所有権の問題があり、市が勝手に草を刈ることは認められていません。あくまでも土地所有者の責任で適切に管理することが法律で定められています。
土地基本法には、土地所有者などに土地の利用と管理に関する責務があることが明記されています。本市の条例では、市街化区域内の空き地における(※)行政代執行について規定していますが、ここで発生した費用を土地所有者が本市に対して支払うか、不確実でもあります。本市で刈ることができたとしても、その費用を公金で支出することは適切とは言えません。
本市としては、土地所有者に手紙や電話で接触を図り、対処を要請していますが、残念ながら対応いただけないことが多いのが実態です。そこで、土地所有者に対し民間団体が実施している有料事業について積極的に紹介するなど、これまでよりもさらに踏み込んだ対策を講じています。
例えば、JA足利では『農地所有者の責務である農地管理(除草作業)』についての代行業を実施しています。シルバー人材センターでは、『空き家・空き地見回りサポート』を実施し、住まいと離れたところにある空き家・空き地の状況を確認し、必要に応じて除草や樹木伐採などを引き受けています。
引き続き土地所有者に適切な対応を要請しながら、地域における生活環境の悪化を防いでいかなくてはいけないと強く考えています。

※行政代執行…所有者などに代わり、行政が適正管理に向けた取り組みを行うこと。

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