■財源確保の必要性
早川 尚秀
6年度予算について、現在開会中の市議会定例会において活発にご議論いただいています。
増加し続ける医療福祉関係経費や老朽化した公共施設の更新・整備費、デジタル化への対応や燃料価格の高騰対策など、財政需要は膨らんでいます。これらの財源確保のためには、歳入の増加につながる取り組みが必要不可欠です。
日本経済新聞による全国自治体の4年度決算によると、4年度税収が最大だった自治体上位には東京23区や主要な指定都市が入り、その他上位に入った地方都市は、企業の立地や設備投資による『固定資産税収』の増加が大きく影響しているとのことです。
地方自治体の税収は、法人住民税と固定資産税で全体の5割近くを占めることからも、市を挙げて産業振興に取り組む必要があると言えます。
そこで、現在造成中の『あがた駅北産業団地』に続き、久保田町地内に新たな産業団地造成を目指し、昨年10月に知事に要望、翌11月には栃木県企業局が基礎調査に着手しました。地元の皆さまのご理解をいただきながら、早期完成を目指します。
また、自治体の一人当たり借金残高については、東京都千代田区の『0円』を筆頭に東京都の『区』が、少ないほうから上位を独占しています。東京のような大都市と地方都市との格差を是正していくために、きちんとした再分配の仕組み作りや、産業の国内回帰と地方移転を促進するような規制緩和および支援策を、国において実行してほしいと思っています。
同時に、地方都市が自力で自主財源を確保していく努力も必要です。例えば、『ふるさと納税』制度への評価は賛否ありますが、市長会の場では「地方都市が大都市と戦える初めての制度だ」という意見も多くあります。本市でもこの制度に積極的に取り組んでおり、5年度11月までの寄付額総計は前年度比約1.6倍、返礼品を伴う寄付額は約2.3倍と増加しました。本市の歳入増加に加え、参画いただいている地元事業者の売り上げ増にもつながり、大変ありがたく思っています。加えて、体験型の返礼品にも力を入れ、足利に足を運んでもらう工夫も強化しています。
歳入の増加とコストの見直しによる財源確保に注力しながら、各事業を積極的に展開できる予算を編成していきます。
※市ふるさと納税(ふるさと足利応援寄附金)について詳細はこちら(本紙PDF版5ページ参照)
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