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自治体の皆さまへ

温故創新

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栃木県足利市

早川尚秀

■市民会館と市役所の建て替え議論について
本市における公共施設の中で最も大きな課題は、十分な議論がされないまま解体してしまった市民会館と、耐震性能がない市役所です。
市民会館は、これまでNHK交響楽団や指揮者の佐渡裕さんによるフィルハーモニー、野村萬斎さんら親子3代の狂言が定期公演されるなど、本市の文化事業を牽(けん)引する大切な施設でした。現在はあしかがフラワーパークプラザ(市民プラザ)で継続して公演いただいていますが、かなり老朽化が進んでおり、規模も小さすぎて、将来に渡る市民会館に代わる施設にはなり得ません。
現在の市役所本庁舎は昭和49年、本庁舎別館は昭和27年に建設されたもので、現行の耐震基準を満たしていないため、必要な耐震性能が不足し、『震度6強以上の地震で倒壊や崩壊の危険性が高い』と診断されています。このように、未耐震にもかかわらず今後の対応状況が『未定』となっている、栃木県内で唯一の庁舎となってしまいました。
本庁舎だけでも約600人の職員が勤務しており、1日に1000人以上の市民の皆さまが来庁し、さらには、自然災害発生時には災害対策本部となることからも、急いで進めていく必要があると考えてきました。
そこで、この2年間、市で議論を重ね、市民会館については市民ワークショップなどを開催し、市役所についても内部協議を経て、それぞれ基本構想を策定しました。
建て替えを進める上で大きな課題が『財源』です。長年、建て替えを視野に入れた議論や肝心の財源という観点が欠けていました。こうした状況を打開するために、民間の資金を導入できる方法など、現在調査研究を進め、民間事業者にも積極的にアプローチをしていきます。
また、他の自治体の事例では、公共施設を複合化することで設計・建築費やその後の維持管理費を抑えている施設も増えています。これまでのように、老朽化したら同じ規模のものを同じ場所に建て替えるという発想ではなく、現況と将来の姿を念頭に置いたまちづくりの視点での再編を進めていくべきと考えています。
先月、市議会からいただいた提言書の中にも、『複合化を検討する』ことが記載されています。提言を踏まえ、次のステップとなる基本計画策定に向け、今年度は議論を加速させていきたいと考えています。

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