「医科・歯科の専門性を反映して」
足利市長 早川尚秀
毎年、年末にかけて、足利市医師会、足利歯科医師会、足利赤十字病院との意見交換会を開催しています。
医師会との意見交換では、まず夜間の急患診療が医師会のご支援のおかげで復活できたことについてお礼を申し上げ、妊婦さんにRSウイルスワクチンを接種することの有効性について、ご教示いただきました。RSウイルスは生後2歳までにほぼ100%の子どもが感染する感染力の強いウイルスで、特に生後6カ月未満で感染すると重症化しやすいうえ、現在有効な治療薬はないそうです。そこで、妊婦さんが予防接種をすることにより、乳児への感染予防や重症化を防ぐ効果の高いワクチンの接種を推奨したいとのことでした。
本市としては、このRSウイルスワクチン接種費用への助成を他市に先駆けて実施していきたいと考えています。
歯科医師会との意見交換では、歯周病が糖尿病や高血圧、心疾患の引き金になること、妊婦さんの低体重児出産や早産にも影響を及ぼすこと、また、若年層の歯周病が増加していることなどをご指摘いただきました。
お話を伺い、妊婦さんや若年層の歯科健診を推奨する取り組みを、足利市として実施していく必要性を感じました。
足利赤十字病院との意見交換では、下表にあるような令和5年度の患者数などについて、事業報告をいただきました。改めて、救急外来の現状と救急車の適正な利用について、私たちは理解を深めなければならないと感じました。また、限られた医療資源の中で、足利赤十字病院に地域医療をいかに支えていただいているかということを数字からも再認識しました。さらに、能登半島地震における救護班の派遣など、国内外を問わず私たちの命を守るために広く活躍されていることも特筆すべきことです。
足利市民の心と体の健康維持・増進のために、医科や歯科の先生方からの専門的なご意見・ご指導をいただきながら、具体的施策に反映していきたいと思っています。
■足利赤十字病院の患者数(R5)
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