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那須の歴史再発見!

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栃木県那須町

■那須町と近現代の人々 vol.22
10月号は、高久出身の考古学者・澤四郎について紹介します。
澤四郎は、昭和10年に那須村高久に生まれました。澤は、黒磯高校から國學院大學史学科へ進学し、考古学を学びました。学生時代は、伊王野の考古学者・渡辺龍瑞を度々訪ねたり、大田原市湯坂遺跡の発掘調査に参加しています。
昭和33年、北海道へ渡り、釧路市教育委員会嘱託として、後に国指定史跡となる東釧路貝塚の発掘に従事しました。澤は、この貝塚の調査のなかで、貝塚が単なるゴミ捨て場でなく、モノ送りの場として機能していたことを提唱しました。昭和35年からは釧路市立郷土博物館の正職員となり、新博物館建設に携わりました。また、昭和56年から平成4年まで釧路市立博物館館長を務めました。その間、北海道教育大学などの非常勤講師も歴任しました。
北海道での澤は、道東の旧石器時代からオホーツク文化に関して調査・研究活動を行いました。北筒式土器の細分化・分類は彼の業績の1つです。また、釧路湿原の保護にも取り組み、地域住民と自然保護会を立ち上げ、その結果、釧路湿原は日本国内で第1号のラムサール条約登録に指定されました。
また澤は博物館と市民の生涯学習活動に力を入れました。春採湖の調査や、遺跡探訪会、市民向け講座など、地域を楽しく学ぶ「フィールドミュージアム」の考え方で、釧路の住民とともに自然環境や文化・歴史を後世の人々へ伝え遺そうと長年取り組みました。
澤は、博物館を「地域の素材に対しオリジナルなデータを付して、釧路の地域性を主張することにより、釧路市の博物館がこの地方を理解する情報の拠点」であると述べています。町ではDMO設立が予定されていますが、澤が理想としたように、探訪館などの施設が自然や歴史の情報とモノを集約し、町民・観光客の交流の場として機能することが今求められています。
(写真は釧路市立博物館、大田原教育委員会より提供いただきました。)
※本紙P32参照

問合せ:那須歴史探訪館
【電話】74-7007

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