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自治体の皆さまへ

誰もがいつまでも住み慣れた地域で自分らしく暮らせるまち(2)

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栃木県那須町

■介護施設入所への想い
◇家族のこえ
若松眞智子さん(穂積)
私の母は98歳で、昨年9月に町内の特別養護老人ホームに入所しました。自宅で2年半ほど介護しましたが、母は「レビー小体型認知症」を患っており、その特徴である幻視症状には、私も息子家族も困惑しました。いるはずがないのに「家の中にアリがたくさんいる」と訴える母にどう対応してよいのか、分からないことが本当に多かったです。また、昼夜が逆転し、深夜に起き出す母をなだめて眠れない日々が続いたり、トイレでの失敗が増えたりすると、私も精神的に辛くなり、当時担当してもらっていたケアマネジャーに施設入所の申込みをお願いしました。自宅で母と一緒に生活したいという気持ちとの葛藤の中での決断でした。
母が入所した今も、その気持ちは消えていません。施設で専門のスタッフに母を介護してもらっている安心感もありますが、もう少し頑張れたかもしれないという気持ちは、きっと他の家族の方も抱いているのではないかと思います。それでも、私自身も、残りの人生を考えなければならない年齢になりつつあります。息子家族に迷惑をかけないよう、庭の草むしりを生きがいに、元気に生活していきたいと思っています。

◇ケアマネジャーのこえ
石山智子さん(上ノ原)
ケアマネジャーは、要介護者本人だけでなく、その家族がそれぞれの生活を大切にできる支援を行っています。さまざまな家族に関わってきましたが「家族が家で介護することが当たり前」という考えはまだまだ根強く残っています。また、要介護者本人の意思が強く、特に男性が介護を拒否し、家族が疲弊しているケースを私は何度か担当してきました。本人の意思を大切にしつつ、家族の責任感、施設入所に対する後ろめたさが少しでも軽くなるよう、介護サービスを調整してきました。介護を拒否しがちだったにも関わらず、サービス利用を開始すると、その施設にすっかり馴染んで穏やかに生活できる男性を何人も見てきました。施設入所後も面会のほか、要介護者の状態が落ちついていれば外出や外泊もできます。本人と家族がそれぞれの生活を大切にし、笑顔で過ごせる支援をこれからも行っていきたいです。

◆地域も見守る施設運営
地域密着型特別養護老人ホームでは、2カ月に1回、地域住民とともに「運営推進会議」を開催しています。施設長のほかに民生委員、自治会、消防団などで構成され、火災等の有事に備える対策や、施設と地域の連携・交流等について話し合い、地域に開かれたサービスとすることで、サービスの質の確保を目的としています。会議の記録は公表されています。

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