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広報連絡委員レポートNO.444

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栃木県野木町

■成就院の半鐘
広報連絡委員 田村 悟
若林地区に今から200年前に造られた天明鋳物の半鐘が残されています。
この半鐘はこの地にあった愛宕山成就院薬王寺のもので、大きさは、全高62.4cm、口径36.5cm、重量約28kgの青銅製です。
鐘の表面には
下野國都賀郡小山庄若林村
愛宕山成就院 文政六未年十一月
世話人 舘野丈衛門 峯源内 惣村中
佐野天明 大川四郎次作
との銘文が陰刻されています。
佐野市青年会議所が編纂した『天明鋳物資料集』には624点の鋳物の所在が記されており、野木町では、野渡の光明寺の鐘が記録されていますが、この半鐘の記録はありません。
また、鋳物師の大川四郎次についてみると、古くは安永8年(1779年)から明治23年(1890年)まで代々継承された名前として6点の記載があり、鋳物師の家系として名を成したものと考えられます。
成就院は明治4年に廃寺となったことで、この半鐘は資料集に記録されることなく、地域に眠っていたため、戦時下で供出されることなく今に至っており貴重なものなのかもしれません。
地域には意外と知られていない宝が眠っています。最近、身近にある残したいものを住民が決める活動として「世間遺産」があります。この機会に、勝手ながら野木町の世間遺産候補としてこの半鐘を知っていただけたらと思います。

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