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みんなの健康

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長崎県大村市

『サ活(サウナ活動)で健康になれるか!?』

わたのべ内科医院 院長 渡部太郎先生

最近、サウナ活動(サ活)が話題です。ドラマ「サ道」では、温冷浴を繰り返すことで「ととのう」という悟りに近い状態に至ることが紹介されています。日本は温泉が多く湧出し、入浴文化があるため、サ活を受け容れやすいのでしょう。サウナ含めた温浴は気持ちよく、健康的なイメージも強いものです。
では、そんなサ活は、本当に健康的なのでしょうか。痩せたり、血糖値や血圧が良くなる効果を期待できるのでしょうか。現段階でわかっているのは「体調に合わせた温浴はどうやら健康にはいいらしい」ということです。
減量効果を示した研究はありませんが、サイクリングと温浴とを比較する研究では温浴の方が血糖値改善効果に優れていたそうです。フィンランドの研究では、サウナの利用で男性の心臓発作や脳卒中のリスクが低下したそうです。
一方、サウナは高温環境で血管内脱水が進み、水風呂に入ると血圧の乱高下を生じやすく、そのリスクに注意が必要です。特に心疾患がある人のサ活は慎重にした方がよく、低温サウナを利用したり、水風呂は控え、ぬるめのシャワーにしたり、といった利用法が勧められます。「自身の健康状態や持病に合わせたサ活が大切」というのが、おおむねのコンセンサスです。
ただ、サ活にとって健康にいいというのは副次的かもしれません。いろいろな趣味で言えますが、健康にいいからではなく、楽しいからそれを趣味にしていると思うのです。高低温環境を行き来するリスクを考える必要はありますが、それ以上にサウナに入ってととのい、サウナ後にビールをくいっと飲んでカレーライスを食べ、サ活仲間と談笑し、日々のストレスから解放されるひとときが、サ活の楽しみだと思うのです。そういう楽しみは日常にハリをもたせ、充実した人生を送る一つの秘訣である、と言ったら大袈裟でしょうか。
健康的か否かのベクトルだけでなく、人生にとって有意義か否かのベクトルも見据えて、マイペースなサ活を楽しんでいただければと思います。

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