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鹿沼市認定 鹿沼の名匠 vol.24

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栃木県鹿沼市

「ものづくりのまち鹿沼」を熟練の技で牽引する“鹿沼の名匠”。
鹿沼の産業や文化の振興を担うその技と心意気を紹介します。

昭和40年に創業した「おぎはら有限会社」は、当初家具製作の会社でした。時代のニーズに合わせ、先代から建具屋になり、荻原さんはその3代目。「物心ついたときから木が身の回りにあり、自然とこの道に進んだ」と語る荻原さん。祖父や父の見よう見まねで、技術を習得してきたそうです。

建具はドアや窓、襖など、空間を仕切るもので、人の出入り・採光・換気などを目的に用いられます。「建具は脇役的な存在ですが、建物の表情にも関わってくるので、凛としていなければなりません。家に対しての引き立て役ですね」と建具への思いを語ります。

建具(ここでは障子)づくりは、木材から製品に使用するパーツを取り出す「木取り」から始まります。この工程では、部材の厚み・幅・長さを決め、加工します。その後に「墨付け」といわれる、格子を作るための印を付け、鉋かんなで滑らかに仕上げます。加工したパーツを組み立て、コテや鉋を使い手作業で調整、調節していきます。障子は、紙貼り部分と組子が平らでないと障子紙が剥がれてしまうため、気を使うそうです。「実際に使うお客さんの顔を思い浮かべ、笑顔にできるようなものを作っていきたい」と荻原さん。また、工務店を通して感謝の言葉を伝えられたときは、やりがいを感じるそうです。

荻原さんの腕に信頼をおく工務店を通して、歴史ある文化財の修復依頼など、県外から多くの問い合わせがあります。「デザイナーが想い描いたものを実物として形にするのが私の仕事です。より良い物になるよう提案もしつつ、製品にしていきます」とものづくりへのこだわりについて熱心に語られていました。

今後については、「時代の変化に応じて生活様式も変わると思うので、その変化に柔軟に対応していきたいですね。若い人にも好まれるデザイン格子戸の製作など、新規製作にも意欲的に取り組みたいと思います」と意気込みを語ります。

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