津波は、いつどんな時に起こるかわかりません。海岸付近にいる場合は、いつでも情報が取れるようにラジオやスマートフォンなどを携帯し、避難する高台を確認するなど、注意しましょう。
◆津波避難3原則
◇『想定にとらわれない』
・相手は自然であり、予想以上の災害が起こることがあります。
・「ここまでは津波がこない」という想定にとらわれず、逃げること。
◇『状況下において最善をつくす』
・「自分は大丈夫」「ここまで来ればもう大丈夫」ではなく、その時できる最善の対応行動をとりましょう。
・津波はすごいスピードで迫ってきます。津波が来たら、各自全力で高台へ逃げてください。
◇『率先避難者になる』
・いざというときには、まずは自分の命を守り抜くために率先して避難すること。
・人間はいざという時に、逃げるという決断がなかなかできません。でも、あなたが率先して逃げる姿を見て、他の人も避難するようになり、結果的に多くの人を救うことにつながります。
◆釡石の奇跡
東日本大震災により、岩手県釡石市では多くの尊い命が奪われました。大槌湾に面した鵜住居(うのすまい)地区は津波で壊滅状態となりましたが、この地区の鵜住居小学校と釡石東中学校の児童・生徒約570人は全員無事に避難することができ、釡石の奇跡とよばれています。では、児童・生徒はどのようにして避難したのでしょうか。まず、地震で揺れている最中から、中学校校庭で部活動をしていた生徒たちが、「津波が来るぞ、逃げろ!」と校舎に向かって大声で叫びながら校庭を駆け抜け、予め避難場所に指定していた老人介護施設を目指して避難を始め、他の生徒もこれに続きました。隣接する小学校の児童は校舎の3階に避難していましたが、日頃から中学校と合同訓練を行っていたので、中学生が避難する様子を見て校舎を駆け降り、その後に続きました。児童・生徒は予め避難場所に指定されていた老人介護施設に到着したものの、建物の脇の崖が崩れかけている様子や、津波が防波堤にあたって舞い上がる水しぶきを見て、生徒らが、さらにその先にある老人福祉施設へ避難することを提案しました。全員が老人福祉施設に避難し終えた直後、津波が堤防を超えたという消防団員の声に反応し、さらに高台の石材店までかけのぼり、無事に避難することができました。最初に避難した場所でよしとせず、その時できる最善を尽くして次の避難場所へ移動したことが、一行の命を救ったのです。また、大声で叫びながら全力で駆け出した児童・生徒が『率先避難者』となったことで、周りの大人たちの命をも救ったのです。
問合せ:危機管理課
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