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自治体の皆さまへ

公立久米島病院だより

22/27

沖縄県久米島町

1・2月の休診日:毎週日曜・月曜
1/1日(月)~3日(水)
※年始の休診日、1/9(火)、2/13(火)、2/23(金)

■久米島で医療をするということ
東京ベイ浦安市川医療センター 内科 藤井敦美
10月1日、那覇から久米島に向かう飛行機に乗りながら、「この飛行機に乗っている人たちが体調を崩したら、全部私が診なければならないのか…」と思ったことを昨日のことのように思い出します。人口約7,000人の島に一つしかない病院で、医師の数も多くない。若手医師の私にも大きな役割が与えられたのだと身の引き締まる思いでした。
通常、病院へのアクセスがいい地域では、病状の重症度や内容応じて受診する病院を選びますが、久米島には病院が一つしかありません。軽症の方もいれば重症の方もいるし、私が診たことない病気の方もいらっしゃいました。しかし、「私には診察できない」と言い訳をすることはできないと思い、できる限り良質な医療を提供できるように尽力している日々を送っています。
このように書くと私が大変ストレスを感じているように見えるかもしれませんが(笑)、実際はとてもやりがいに満ちて生き生きと働いています。普段在籍している病院は医師がたくさんおり、正直私がいなくても皆さんいい治療を受けて帰れるので、日々自分の存在意義に疑問を抱いておりました。一方で、ここでは私に大きな責任が与えられ、島の皆さんに役立っているという実感がとても持て、毎日忙しいながらも充実して過ごしております。
また、久米島病院では自分が今まで取り組めていなかった「予防医療」に重きを置くようになりました。重症な病気を発症した場合、本島に搬送することもありますが、天候やヘリコプターの使用状況によってはすぐに搬送できないこともあります。久米島で安心して暮らすためには病気を発症しない、もしくは重症になる前に発見することが一番だと思い、健康診断の受診や予防接種を勧め、生活習慣病の管理をしっかり行うようになりました。どうしても治療に目が行きがちな医療ですが、病気を防ぐことや早期発見が一番大事だと改めて感じました。
びっくりするほど綺麗な海と空。なんだか勝手に親しみを持ってしまうような素敵な島民の皆様たち。医者としての自分の役割を自覚させてもらえたこの場所。久米島は私にとっての第二の故郷のような場所になりました。幸いにも「ありがとう」を言われることが多いこの職業ですが、私の方こそ島の皆さんに「ありがとうございます」を伝えたいです。また来年、皆様と元気にお会いできることを楽しみにしております!

■「“かぜ”には“ 漢方”!? 」
公立久米島病院小児科 渡邉 幸
新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
さて、冬になり色々な風邪が流行ってきました。今回は風邪と漢方についてです。
「かぜ」はウイルスが鼻や口から入ってくることで始まります。体はウイルスを外に出すために鼻汁や咳を出したり、体温を上げて免疫を活性化させるので、発熱や咳自体は必ずしも無くさなければいけないわけではありません。治癒力を高めるためにしっかり休養と栄養・水分をとることがかぜを早く治す秘訣です。症状が強く生活に支障をきたす時にはお薬を処方しますが、かぜのお薬は大きく「西洋薬」と「漢方」に分けられます。
「西洋医学」の治療の目標は「原因を取り除くこと」なので、原因がはっきりしている病気には大きな効果を発揮します。しかし、ことかぜに関しては、インフルエンザ、コロナを除いてかぜウイルスをやっつける薬がないため、「咳止め」や「熱さまし」など症状を軽減させる薬を使うことになり(対症療法)ますが、根本的な治療ではないため、あまり大きな効果は期待できません。
一方「漢方」は、自然治癒力を活性化させたり、ウイルスによる体の反応の根本(炎症)を抑える効果があります。その時々の体調や症状にあった漢方を飲むことで、辛い症状が軽減するだけでなく、体のバランスを整えて、治癒を早めてくれる効果もあります。
「漢方は即効性がない?」と思われている方もいますが、小児の風邪で処方する薬は即効性があるものが多いです。漢方を内服して効果を感じられた方は、次に来られた時に「とても効いたのでまた同じ薬をください!」と言われます。西洋薬ではかぜの薬でこのような効き方をすることはあまりありません。
「漢方は苦くて飲ませられない」とよく言われます。確かに西洋薬のように飲みやすくは作られていませんが、工夫と慣れで意外と子どもでも飲めるようになります。おすすめは「ヨーグルト」「チョコクリーム」「チョコアイス」、1歳以上なら「はちみつ」は喉にもいいので相性抜群です。
「風邪の漢方」には、透明の鼻水や咳症状に効く「小青竜湯」、乾いた咳に「麦門冬湯」、ひどい咳に「五虎湯」、咽頭痛に「桔梗湯」などがあります。薬局で市販されているものもあるので、気になる方は薬剤師さんに相談しながらぜひお試しください!

受付時間:午前8時30分~11時
午後1時~4時

問合せ:【電話】985-5555

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