12・1月の休診日:毎週日曜・月曜
※年末年始:12/29(日)~1/3(金)、1/14(火)
内科 海老原 賢治
■外用薬の使い方
こんにちは!10月から来ました内科の海老原(えびはら)です。実は「えび」が苦手でして、「えび」が苦手な「えびはら」で覚えてください。地元は関東の茨城(東京の右上)です。久米島は初めて来ました。おかげさまで毎日充実した日々を過ごしています。今回は外用薬の使い方の話をしようと思います。皆さんは外用薬を塗るときに気を付けていることはありますか?外用薬を使うときのポイントは、「部位ごとの吸収率の違い」と「外用薬の量(範囲)」です。特に注意すべき部位は顔面(特に眼の周囲)と陰部です。下の図のとおり、顔面や陰嚢は、他の部位と比較して吸収率が非常に高いことがわかると思います。医師は、外用する部位の吸収率に応じて外用薬を選択して処方しています。特定の部位に対して処方された外用薬は他の部位、特に顔面や陰部に使用しないようにしましょう。
さて、外用薬の量はどのようにしていますか?塗りすぎ、塗らなすぎも良くありません。答えは、図の通り、「第一関節分の長さ」の外用薬を「両方のてのひら」に広げます。これがちょうどよい外用薬の量とその範囲です。のばしてみると少しべたべたとした感じがあるかと思いますが、これくらいの量が必要です。ローションを使用する場合は「1円玉の大きさ」を「両方のてのひら」に広げると良いでしょう。使用する量が少ないと効果が得られない場合もあります。意識してみましょう。
■「~子どものネガティブ反応に対応する~(1)ボトムアップのアプローチ」
公立久米島病院 小児科 渡邉 幸
早いもので今年も最後の月となりました。「親が忙しい時期は子どもがぐずりやすい」は、「子育てあるある」ではないでしょうか。
子どもの癇癪やぐずり、兄弟喧嘩は「ネガティブ感情」の嵐のような状態といえます。親としてはできるだけ避けたいですが、子どもにとっては避けて通れない、また成長のために必要な道でもあります。なぜ必要なのか、どのように対応すればいいのかについてお話ししていきたいと思います。まずは私たちの感情のしくみを知るために、脳の3階構造を理解しましょう。
3階:「考える・計画する・判断する」など理性的に行動するための司令塔。
2階:「欲求・快・不快・怒り・驚き」などの感情を司る。
1階:生存のために必要な「呼吸・心拍」を管理。自律神経の司令塔。
私たちの考えや行動は、3階の「理性」だけではなく、2階の「感情」や、1階の自律神経の状態にも大きく影響を受けています。
子どもがカンシャクを起こしたりぐずっている時、3階の部分はほぼ働いておらず、2階と1階が反応しあっています。2階で「不快」の感情が起こると、1階が「危険信号」を受け取ります。すると自律神経が「危険モード」に切り替わり、身体全体が「戦闘体制」になります。脈拍や血圧があがり、筋肉はこわばり、人の話が聞こえなくなります。この状態でいくら「言葉」で説明(トップダウンのアプローチ)しても全く話は入りません。叱られたりすると。「危険モード」はさらに強化され、状態は悪化してしまいます。
対応のポイントは、子どもの中で「誤作動」を起こしている自律神経のスイッチを「安全モード」に切り替えることです(ボトムアップのアプローチ)。穏やかに声をかけ、喧嘩であればお互いに距離を取らせ、水を飲ませたり一緒に深呼吸したりして、自律神経が徐々に「安全モード」に切り替わるのを待ちます。
難しいのは、子どもが感情の荒波にもまれているのを見ると、大人の脳の中でも「危険モード」スイッチが入りやすくなってしまうため、ついイライラしたり怒りたくなってしまうということです。次回はそのことについてもう少し詳しくお話ししたいと思います。
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