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文化の泉 宝物(たからむん)No.40

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沖縄県南風原町

■民衆が支えた!南風原の幼児教育
〜山川の幼稚園運営の記録から〜

先月、戦後沖縄では各字の「公民館幼稚園」で保育・教育が行われたことをとりあげました。では、実際どのように運営されていたのでしょうか?字山川の記録をのぞいてみたいと思います。
戦後沖縄では、はじめこそ幼稚園を義務教育化する流れがありましたが、実際には予算が乏しく、公立幼稚園の普及はかないませんでした。そこで登場したのが、各字が運営する「公民館幼稚園」です。
『山川誌』によると、山川では戦前にも字事務所で幼稚園教育が行われていたようです。戦後、1954(昭和29)年に山川幼稚園が開設し、茅葺き屋根の公民館が使われました。1959(昭和34)年には東グムイ跡に園舎を移転、1970(昭和45)年からは青年クラブの建物で保育を行いました。
運営については、字の評議員会や区民常会で話し合われた記録があります。1972(昭和47)年には、園児1人あたり1ドル50セントを徴収して教師の給料と運営費にあて、毎月不足分の36ドルを区費から負担しました。
1972年当時の山川幼稚園を知る人に話をうかがうと、字内の4・5歳児30人程度を1人の教師で保育していたそうです。足踏みオルガンや紙芝居、絵本などの備品もあり、歌やおゆうぎ、集団あそび、読みきかせ、ボール遊びなどの活動を行ったようです。
地域の支えによって自主運営されていた「公民館幼稚園」。これが、その後の沖縄独特の幼稚園教育につながっていきます。(前城)

◯南風原文化センター企画展「はえばるのようちえんのあゆみ」
4月27日(木)〜5月16日(火)9:00〜18:00
※水曜休館(土日祝は開館)
会場:南風原文化センター(入場無料)

問合せ:南風原文化センター
【電話】889-7399

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