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文化の泉宝物(たからむん)No.41

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沖縄県南風原町

■語れなかった沖縄戦〜南風原・神里のそばでおきた日本史上最悪の鉄道事故〜
安全な乗り物といわれる鉄道ですが、ときには悲惨な事故もあります。2005年のJR福知山線脱線事故などは記憶に新しい方も多いかと思います。しかし、日本史上最悪の被害を出した事故が、南風原のすぐそばで発生したことはご存知でしょうか。
1914(大正3)年に開業し、県民の足として親しまれた沖縄県営鉄道(通称:軽便)。南風原には5つの駅がありました。軽便は、戦時色が濃くなるにつれ、軍事目的で運行されるようになります。
1944(昭和19年)12月11日、弾薬やガソリン入りのドラム缶、衛生材料を積み、兵士と女学生を乗せた列車が、南風原の山川駅から喜屋武駅にかけての坂を上りました。そして、神里の集落の東側、稲嶺駅の手前のワイトゥイ近くに来たところで、突然爆発がおこりました。
火は列車に積載した弾薬に引火し、爆弾の破片が周囲に飛び散り、辺り一面が火の海になりました。そして、兵士、女学生、県鉄職員約220人が亡くなる大事故となりました。
ところが、この事故が語り継がれることはなく、地元でもあまり知られていませんでした。これだけの大惨事だったにも関わらず、不思議だと思いませんか?
それは、当時、日本軍によって秘密裏に事故処理が行われ、「箝口令(かんこうれい)」がしかれたからなのです。新聞報道はおろか、住民は事故について語ることを許されず、現場に立ち入ることもできませんでした。そして、軍にとって都合の悪い事故は隠されたまま、翌年の沖縄戦へ突き進んでいくのです。
南風原文化センターでは、「箝口令」のもとに、語ること、知ることが出来なかった沖縄戦の一側面に焦点を当てた企画展を行います。ぜひご来場ください。(前城)

◯第94回企画展 検証6・23シリーズ「箝口令!語れなかった沖縄戦」
日時:6月5日(月)〜6月27日(火)9:00〜18:00
※水曜休館
会場:南風原文化センター 企画ホール
※企画展は入場無料

問合せ:南風原文化センター
【電話】889-7399

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