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文化の泉宝物(たからむん)No.43

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沖縄県南風原町

■南風原の歴史文化を伝える「宝モノ」
「断捨離」や「終活」という言葉が流行って久しいですね。これからやってみようという方、あるいはすでに済ませたという方もいらっしゃるかもしれません。
片付けをしていると、様々な思い出や感情がよみがえり、手が止まってしまうことはありませんか。親の形見、手になじんだ道具、思い出の写真…。文化センターには、そんな「捨てようと思ったけど、大切な気がして捨てられない」モノたちが集まります。全部をお引き受けするわけにはいきませんが、人々の暮らしやその変化が刻まれたモノを町内外の方から寄贈していただいています。
たとえば、琉球絣を贅沢に使った女性用スーツ。着物を着る人は少なくなったけど、まだまだ絣の生産量が多かった1970年代頃のものだと思われます。選挙の投票にもかしこまった服を着て行くような時代、これを着て様々な場所へ出かけたのでしょう。この一着から、服装の歴史と南風原の絣生産の隆盛、当時の型や色柄の流行、素材、技術など、様々なことがみえてきます。そしてこのスーツを大切に保管しておくことで、100年後も持ち主に代わって当時の雰囲気を伝え続けてくれます。
また、学芸員がモノを収集することもあります。最近収集したのは県内で流通する小麦粉。長年おなじみだった紙袋がプラスチックに変わるとラジオで聞き、スーパーへ急ぎました。害虫対策をした上で、形状や素材、使用方法、時期などの情報を記録し、番号をふって収蔵庫に収める予定です。
このように、南風原文化センターは地域の博物館として南風原の歴史文化にまつわるモノを収集し、保管して後世へ伝える役割を担っています。8月後半から9月には、新収蔵品を紹介する企画展を開催します。(P19参照)今回は収蔵品を歴史文化の代弁者ととらえ、その魅力を「モノの履歴書」とともにご紹介します。
日々の暮らしで慣れ親しんだモノは、いつの間にか姿を変え、気づいたときにはなかなか手に入りません。今、あなたの目の前にあるモノも、実は「宝モノ」かもしれませんよ。
(前城)

問合せ:南風原文化センター
【電話】889-7399

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