■今年はユンヂチ!
どこかで聞いたこのフレーズ、どういう意味だか分かりますか?ユンヂチとは旧暦で設けられる「閏月」のことです。旧暦では1年が354日しか無いため、3年で約1ヶ月分のズレが生じます。そのため季節と日付のズレを調整する必要があるのですが、およそ33ヶ月に1度、本来は暦にないユンヂチ(閏月)と呼ばれる1ヶ月をつけ加えることで、1年のバランスを整えます。
沖縄ではユンヂチの月に墓の建立(こんりゅう)、仏壇(ぶつだん)・位牌(いはい)の取り換えを推奨(すいしょう)する傾向があります。その理由としては、ユンヂチの月には年中行事が無く、神仏(しんぶつ)も不在の月であると考えられているからです。そのため、新しいことを始めても天罰が下らないと信じられてきました。ただ最近では、ユンヂチのある年は1年間を通してこうしたことが可能だと理解されるようになっています。ユンヂチは旧暦による慣習を色濃く保持している沖縄ならではの現象だといえます。
学芸員 比嘉二規
問合せ:沖縄市立郷土博物館
【電話】098-932-6882
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