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【博物館コラム】こちら沖縄市立郷土博物館

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沖縄県沖縄市

■ギョギョギョ!
博物館では近代(約140年前~戦前)集落の発掘調査で見つかったもの(遺物)の資料整理を行っています。資料整理中に可愛い図柄の湯呑を見つけました。黒くコーティングした湯呑の表面に魚の文様を彫り込んでいます。
この湯呑は沖縄で戦前に作られていた、『古典焼』と思われます。『古典焼』と聞くと「すごく古いもの」のような気になりますが、大正・昭和初期のとても短い期間に壺屋(現那覇市)で生産されたものです。明治4(1871)年の廃藩置県後、県外から陶磁器が大量に入り込み、市場を奪われ壺屋は不況におちいりました。『古典焼』は陶工たちが困難な状況を抜け出すため、本土の商人たちがデザインし注文したものに応え試行錯誤して作られました。主に「エジプト文様」と呼ばれる魚や船の図柄が多く、その他に芭蕉やバナナ・龍・椰子などの図柄もあったようです。この可愛い魚の文様を眺めると、移り変わる時代に奮闘・工夫した陶工たちの力強く生きる姿が思い浮かびます。
学芸員 長堂 綾

問合せ:沖縄市立郷土博物館
【電話】098-932-6882

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