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令和6年度 施政方針(1)

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沖縄県沖縄市

2月14日の沖縄市議会定例会で発表された施政方針の全文です。

第430回沖縄市議会定例会にあたり、令和6年度の市政運営に関する所信を申し上げ、市民の皆さま並びに議員の皆さまのご理解とご協力を賜りたいと存じます。

沖縄市は、令和6年4月1日に市制施行50周年を迎えます。昭和49年、基地の門前町として栄えたコザ市と中城湾港に臨むみどり豊かな美里村が歴史的な合併を果たし、本市が誕生いたしました。
半世紀の歩みを振り返りますと、新生・沖縄市の将来像となる「国際文化観光都市」の実現に向けた取り組みをはじめ、海にひらけゆく新たなまちづくりを展望する東部海浜開発やスポーツコンベンションシティを予感させる沖縄県総合運動公園の誘致など、先人たちの先見性と大胆かつ壮大な構想は、私たちを圧倒するとともに、まちに、大いなる豊かさと幸福をもたらしております。

私は、激動ともいえる時代を果敢に切り拓き、たゆまぬ努力と情熱を注いで、今日の沖縄市へと成長させてきた先人たちに、深い敬意と感謝の意を表するとともに、市長就任10年の節目を目前に、これまで市民の皆さまにお示ししてきた数多くの公約を実現させてゆくことこそが、次の市制施行100周年をも越える未来への新たな礎になると確信し、市民の皆さまとともに、躍動する沖縄市の実現に取り組む決意であります。

市長就任時、公約に掲げた多目的アリーナにつきましては、多くの方々のご理解、ご協力のもと、立ちはだかる課題を一つひとつ乗り越え、本市のランドマークとなる沖縄アリーナとして実現するとともに、私は、このまちにさらなる活力を呼び込むため、世界を魅了する国際大会の誘致に奔走いたしました。

昨年開催された「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」では、沖縄アリーナの強力なホームアドバンテージを追い風に、男子日本代表が48年ぶりに自らの手でオリンピック出場権を獲得するという快挙を成し遂げました。
世界最高峰のプレーに触発されたこどもたちが、それぞれの夢や希望を将来に育んでゆく、そんな明るい展望に満ちた大会となり、数々の奇跡を巻き起こしたこの世界大会は、本市にとって市民が誇りとする新たな歴史になると同時に、市民をはじめ多くの皆さまのご協力と先人たちの努力の歴史が大会の大成功へと導いてくれたのだと、万感胸に迫る思いであります。
私は、この世界大会の波及効果そして沖縄アリーナの力を最大限に活かして、多くの人々にとって、夢や希望、活力となる機会を創出するとともに、わがまちの活性化はもとより、強い沖縄経済の実現に貢献してまいります。

私は、沖縄観光に新たな価値を創出するとともに、FIBAを契機とした内外の観光客を市域に引き寄せるため、沖縄こどもの国に、常設では国内初となる「ナイトZOO」をグランドオープンいたします。
動物たちが見せる夜の表情に彩を添えるとともに、国内最大級となる夜間空間と水・緑を活かした幻想的な景観を演出するなど、毎年、進化し続ける日本一ユニークな動物園にダイナミックな魅力と新たな感動を創造するべく、挑戦してまいります。

「潮乃森」につきましては、先人たちの壮大な構想から長い歳月を経て、いよいよ人工ビーチの一部が供用開始いたします。
太平洋に抱かれた特別なリゾート空間がまばゆい朝日に照らされ、訪れる人々がスポーツ・健康・交流の生出す幸福感に包まれる、そんな光景に思いを馳せながら、私は、東部開発百年の大計である「潮乃森」の早期完成に向け、困難と対峙する覚悟で行動してまいります。

「(仮称)池武当IC」につきましては、国の強力な後押しを受け、設置に向けた取り組みが本格的に始動いたします。
新たなICがさらなる企業誘致と雇用創出の呼び水となり、周辺地域の交通円滑化や産業振興、ひいては中城湾港の物流等にも寄与する広域道路ネットワーク形成を促進してまいります。

新火葬場につきましては、厳かな雰囲気のなか、このまちで市民が大切な人を心穏やかに見送ることができるよう、整備に向けて取り組んでまいります。

次の半世紀を見すえたとき、未来を担うこどもたちの夢や希望が叶う社会を築くことは、行政を預かる者の務めであります。
私は、貧困の連鎖という、この先送りしてはならない課題に真摯に向き合うとともに、解決の道筋を拓き、必ずや貧困の連鎖を断ち切るという気概で、地域や経済界等と力を合わせて、こどもたちの持つ無限の可能性と選択肢を広げる取り組みを、一層、推し進めてまいります。

価値観の多様化がすすみ、これまでの家庭・地域等の、人々の生活領域における支えあいの基盤が弱まりつつあるなか、人と人、人と資源が世代や分野を超え、つながり合う社会の再構築が求められております。
私は、市民一人ひとりが地域の一員として、緩やかにつながり、支え合う温かなセーフティーネットに包み込まれるよう、福祉のグランドデザインともいえる地域共生社会の構築に取り組んでまいります。

世界に目を向けますと、ロシアとウクライナ間の戦争が膠着する一方、中東において新たな軍事衝突が勃発するなど、武力による争いが後を絶たないばかりか、リビア東部を襲った大洪水や、中国北部に上陸した大型台風による深刻な被害も生じております。
我が国においても、能登半島地震をはじめとする大規模震災や大雨等により各地で甚大な被害が生じるとともに、昨年本県を襲った台風6号が大きな爪痕を残すなど、世界的な紛争や自然災害は、決して対岸の出来事ではありません。
私は、世界の恒久平和と安全こそが、今日および未来の発展の基礎であるという認識のもと、国民保護や自然災害など、あってはならない事態への備えと強靭なまちづくりに取り組むとともに、自助・共助・公助の輪を確かなものにしてまいります。
そして、激甚化する自然災害から未来の沖縄、さらには世界を守っていくためにも、ゼロカーボンシティに向けた取り組みを、市民の皆さまとともにすすめてまいります。

この輝かしい節目の年を迎える今、私は、まちづくりに終着点はなく、常に進化し続けるとの思いを強く抱くとともに、先人たちが築いてきた礎に今日的意義を吹き込み、後世の人々が誇れるまちづくりへと突き進むべく、情熱と郷土愛をもって、国際文化観光都市の実現に邁進してまいります。

以上、私の市政運営に対する基本的な考えを述べさせていただきました。市民の皆さま並びに議員の皆さまの一層のご理解とご協力をお願い申し上げます。

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