■百貨店から来た地図資料?
当館では「米軍作成図」と呼んでいる194枚の地図を持っています。4,800分の1という大縮尺で沖縄本島中南部を図化したこの地図はアメリカ陸軍地図局の作製です。地図下部の英文注記にはGHQ(連合国総司令部)とFEC(極東委員会)の指示で米軍第64工兵地形大隊が作製したこと、1947年と1948年撮影の空撮から図化されたこと等が書かれています。第64工兵地形大隊はGHQに接収された新宿の伊勢丹ビルに入っていて、作業室や印刷室も置かれたそうですから、もしかしたらこの地図も新宿で作製、印刷されたものかもしれません。
終戦から数年ほどの沖縄市の地形が詳しく読み取れ、米軍撮影空中写真シリーズ(沖縄県公文書館所蔵)と合わせて実に頼りになる資料ですが、作製の目的や経緯を考えるとなんとも複雑な気持ちもあります。
(文化財調査専門員 八田 夕香)
問合せ:沖縄市立郷土博物館
【電話】098-932-6882
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