■家のお守り「紫微鑾駕」
「紫微鑾駕(しびらんか)」をご存じですか。沖縄の木造住宅では、棟木(むなぎ)という屋根裏の一番高い所の材木に「紫微鑾駕」という文字を記す中国由来の慣習がありました。
「紫微」とは北極星の神様のことで、「鑾駕」は身分の高い人の乗り物のことです。北極星の神様がやってきて、災いからこの家を守り、家に幸福をもたらしてくれますようにという願いが込められています。
「紫微鑾駕」と書いた板を棟木に釘で打ち付けたり、直接棟木に書いたり、墨書きした紙を貼るものもあったそうです。沖縄への伝来時期は不明ですが、18世紀初頭には知られていたと言われています。
最近は鉄筋コンクリートの家が増え「紫微鑾駕」を見る機会が少なくなりましたが、木造住宅の取り壊しの際、屋根裏から発見される場合があります。その際はぜひ郷土博物館へご連絡をお願いします。
学芸係長 尾崎 江利子
問合せ:沖縄市立郷土博物館
【電話】098-932-6882
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