■羽を広げた蝶のような蝶形骨製品
令和6年8月、沖縄市嘉間良にある遺跡「八重島貝塚」で発掘調査を行いました。今回の調査では、土器、石器、貝、獣骨等が見つかり、その中でも特に注目されたのは「蝶形骨製品」が3点発見されたことです。八重島貝塚からの蝶形骨製品の出土は、昭和29年(1954年)の遺跡発見時に1点見つかって以来、約70年ぶりのこととなります。
蝶形骨製品とは、動物の骨、特にジュゴンの骨等で作られた沖縄独自の遺物で、羽を広げた蝶に見えることから名付けられています。室川貝塚からも複数の蝶形骨製品が出土しており、沖縄市は県内で最も多くの蝶形骨製品が発掘されている場所となっています。
2月2日まで市郷土博物館で開催中の「沖縄市のお宝展」では、これまでに沖縄市で見つかった蝶形骨製品12点の実物が勢ぞろいしています。その他にも、約200年前の知花花織など、博物館40年の活動の中で集めた資料の中から、沖縄市を特徴づけるお宝を厳選して一挙展示しています。大変貴重な機会ですので、ぜひ実物をご覧ください。
学芸員 儀保 和士
問合せ:沖縄市立郷土博物館
【電話】098-932-6882
<この記事についてアンケートにご協力ください。>