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自治体の皆さまへ

粟国診療所

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沖縄県粟国村

医師 新村真人

◆「肝臓の数字」が気になるみなさまへ
粟国島の皆さんこんにちは。粟国診療所の新村です。健康診断が終わったばかりですね。
毎年「肝臓の数字が引っかかった」とお話される方がいますが、今回は肝臓についてお話します。

▽「肝臓の数字」を放っておいてしまうとどうなってしまうかご存知ですか?
多くの方は肝臓の数字が悪くても、困っている症状は出てこないです。肝臓は健康のための様々な機能(解毒/止血/タンパク質の生成…)を担っています。また、「沈黙の臓器」とも言われ、それらの機能がガクッと下がる「肝硬変」という状態になって初めて、だるさやむくみ、黄疸や腹水といった症状が出てきます。また、肝硬変の状態からは正常な肝臓に戻ることはできません。肝硬変では腹水への感染症やけいれんや静脈瘤による吐血など様々な合併症が起こります。さらに肝臓癌が発生しやすく、肝硬変に至った方は半年に1回は詳しい検査をしなければいけません。

▽そもそもどうして肝臓が悪くなってしまうのか?
全国的にはB.C型肝炎ウイルスによるものが多くなっていますが、沖縄ではアルコール、NASH(生活習慣による脂肪肝炎)の割合が高くなっています。また市販の風邪薬やサプリメントなどの薬剤性のこともあります。

▽数字が悪いときはどうすればいいの?
まずは診療所にご相談下さい。血液検査でB.C型肝炎の有無を確認しつつ、エコーで脂肪肝の評価をおこないます。アルコール性、生活習慣による脂肪肝に関しては一部使用可能な薬剤はあるものの、有効でないという報告もあり、基本的には減酒および食生活の改善が必要です。

ぜひ!健診で早めに発見できた肝障害を、肝硬変に至る前に、治療していきましょう。

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