◆竿秤(さおばかり)を知っていますか。
皆さんはどのような器具を使いますか。最近人気のあった某ドラマの主役のように、自分の手ではかれるという方ももしかしたらいるかもしれませんが、ほとんどの方は、目盛(めも)りのある上皿はかりや、ピッと数字が出る電子はかりを使っていると思います。
このようなはかりが出る前、私たちの先輩方は、「竿秤(さおばかり)」を使っていました。方言で「ハカイ」といい、薬や織物糸のための小型のものから米俵(こめだわら)や家畜(かちく)用の大型のものまでありました。大型の竿秤(さおばかり)は、「チンドー」、地域によっては「テットー」とも呼ばれています。
竿には目盛(めも)りが書かれ、前部には鉤(かぎ)(ヒッカキヤー)がついています。この鉤(かぎ)にはかるものを下げ、反対側に分銅(ふんどう)(ウブシ)を下げて、水平になった場所で計量します。(イメージ図1)
また、計量するものをかける鉤(かぎ)のほかに、受皿をつけたものもあり、この皿にはかりたいものを載せて計量することもあります。
大型のものは手で持つ部分に棒を通し、その棒を二人で支え、鉤(かぎ)にものを下げ、三人ではかります。(イメージ図2)
はかりたいものと分銅(ふんどう)を水平に保つようにしてはかるので、時には、竿の傾きによる売り手と買い手のかけひきもあったようです。
本町文化財係でも近年数種類の竿秤(さおばかり)の寄贈を頂いています。小型のものから、二〇〇斤(一二〇kg)や二五〇kgと書かれた分銅(ふんどう)を持つ竿秤(さおばかり)などです。これらは、実際に、市場などで野菜や豚、魚などの出荷の際に重さをはかるために使用されていたものです。
竿秤(さおばかり)は、毎年本町文化財係が開催している新収蔵品展で、何度か展示していますが、今年は大きな二五〇kgの竿秤(さおばかり)を展示予定です。
竿秤(さおばかり)自体の歴史は江戸時代頃まで遡(さかのぼ)るそうです。先人たちの知恵が詰め込まれた秤(はかり)をご覧ください。
収蔵品展の詳細は本広報紙の生涯学習だよりに掲載しています。
※詳しくは本紙をご覧ください。
参考文献:沖縄大百科事典/沖縄タイムス社、沖縄の民具/上江洲均著、第二〇回名護博物館企画展沖縄の度量衡~はかりを通した人々の暮らし~/名護博物館
お問い合わせ:文化課文化財係
【電話】944-4998
<この記事についてアンケートにご協力ください。>