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【特集】漫湖水鳥・湿地センター開館20周年記念 漫湖においでよ!(2)

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沖縄県那覇市

■ラムサール条約
(正式名称:特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約
渡り鳥や魚など、色々な生き物がすめるような、湿地を守るための条約です。

◆[保全・再生]人の手によって変化してきた漫湖
○漫湖とは
漫湖は、本市を流れる国場川と豊見城市を流れる饒波(のは)川の合流地点に形成された河口干潟で、干潮時に泥質干潟が出現します。
かつては、那覇港の奥に広がる入江で、船が往来し漁業が盛んでしたが、戦後の急速な都市化や周辺の開発、埋め立てにより、大量の土砂が流れ込み現在のような姿になっています。市街地の中にある比較的小さな干潟ですが、全国的にも有名なシギ、チドリ類の重要な渡来地として、また、多くの水鳥などの生息地として重要であるという理由から、1999年5月に全国で11番目、沖縄県では最初のラムサール条約登録湿地となりました。

○マングローブのコントロール
戦後の開発などで土砂が流れ込み、干潟形成と水質悪化が進んだ漫湖。干潟形成により水鳥の飛来数は増加しましたが、環境変化により、わずかに自生していたマングローブが消失しました。その後マングローブの植栽をきっかけに、マングローブ林が急拡大し、干潟が陸地化したことで、水鳥の休息場所が減り飛来数が減少に転じました。現在では、森林機能の維持と水鳥や湿地の保護を両立させるため、マングローブの伐採や稚樹抜きを行うなど管理を継続しています。

○ゴミ問題
漫湖に流れ着くゴミのほとんどは、もともと私たちの身のまわりにあったものです。毎年清掃活動を行っていますが、過去にはゴミの総重量が1年間で1.2トンに達したこともあります。ポイ捨てをしないことはもちろんですが、ゴミを出さないような工夫をしましょう。

◆[ワイズユース〔賢明な利用〕]漫湖の持続可能な開発のために
○マングローブの染物体験
もともと西表島などで行われていた伝統工芸、マングローブ染め。昨今は、マングローブが保護の対象となり材料の入手が困難ですが、漫湖には湿地の維持管理のためにやむを得ず取り除いたマングローブがあります。それらを利用しマングローブ染めを行うことで、マングローブの有効活用に努めています。

○マングローブの木工体験
地域の作家さんや工場、工房などに協力を依頼し、マングローブで作るペンや箸など木工体験も企画中です。
保護の対象となっているマングローブの加工品は、世界中でみても珍しいものです。このような付加価値のある木工製品を販売し、その収益を湿地保全事業に使い、保全活動の持続および促進を目指します。

◆[交流・学習]漫湖の魅力、課題を多くの人に伝える
○市民調査
干潟の環境は悪くなってきていると言われていますが、実は公的な調査がされていないのが現状です。そこで、市民の人たちにも協力してもらい、干潟の生物がどの程度、どのような種類がいるのかなどを毎年記録していく市民調査を行っています。この機会を通して底生生物の不思議さや奥深さを学ぶ機会にしてはいかがでしょうか。漫湖の泥干潟には希少なキララハゼやメジリハゼが生息しているので、もしかしたら、まだ見つかっていない生物が見つかるかも!?ぜひご参加ください。

○漫湖みんなで水族館
毎年、漫湖水鳥·湿地センターで開催される「漫湖みんなで水族館」は、普段は観察できない漫湖の水の中にいる生物を手網や投網で捕まえてきて期間限定で展示しています。国内では漫湖でしか見つかっていない生物などが見られる貴重な機会です。今年は、10月3日(火)~10月22日(日)の期間に当センター1階で開催します!入場は無料です。

■水鳥と湿地と人とをつなぐ場所
県内の泥干潟は、漫湖の他に屋我地島周辺や豊崎干潟がありますが、気軽に干潟に下りて観察ができ、そこで見た生物をすぐに調べたりできる施設があるのは漫湖だけです。
その施設である漫湖水鳥・湿地センターには、漫湖の生態系が一目でわかる縮小模型(ジオラマ展示)や図書コーナー、展望室があります。
かつての入江から泥干潟へ変化した現在の漫湖に対する意見は様々です。目の前の良さを理解しつつ昔の視点や未来のビジョンを共有することが大切です。ぜひ、漫湖に来て、今のありのままを見て、「イイね!」と思える何かを見つけ大事にしてください。それが結果として環境を守ることになります。
センターでは湿地を使ったアクティビティー体験の充実と、周辺施設も含めた協力体制が整えば、漫湖一帯がより一層盛り上がると考え、市などの関係機関を含めて「つながりの場」を構想中です。漫湖の問題は上流も含め考える必要があるため、漫湖の魅力が高まれば、周辺地域の人たちにも良さが伝わり、保全活動の促進に繋がります。そして、最終的には漫湖を拠点とした国場川流域一帯の新たな魅力を創造していきます。
まずは、センターに足を運び、気になる企画やイベントを見つけて参加してください。

○漫湖水鳥・湿地センター
豊見城市字豊見城982
開館時間:9時~17時(入館無料)
休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日)
年末年始(12/29~1/3)、慰霊の日(6/23)

問合せ:
【電話】840-5121

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〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

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