伝統行事が豊かにある沖縄。那覇市内でもハーリーや大綱挽をはじめ、辻の二十日正月、サングヮチー(旧暦3月3日)やエイサー、首里赤田の弥勒ウンケーなど、地域に根ざした多様な祭りが脈々と伝承されています。これらの祭りは、もともと首里王府の儀礼や人々の農耕・漁撈(ぎょろう)と深く関わり、旧暦にもとづき催されていましたが、ライフスタイルの変化した現在でも、季節を感じさせ、地域の絆を深める大切な機会になっています。今月の紙面では、旧暦8月15日前後に各地で行われる十五夜の獅子舞にスポットを当てました。
文化には、継承する努力なしでは、たやすく途絶えてしまうという側面があります。近年は沖縄でも伝統行事の担い手育成が課題になっており、地域の歴史や先人の知恵を次世代につなぐ営みは、今後ますます重要になっていくことでしょう。今回の特集が、伝統の重みを深く感じ、身近な文化の大切さに気づくきっかけとなることを願っています。
那覇市長 知念 覚
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