※臨時休館中3月31日まで
■所蔵資料紹介『緑釉嘉瓶』
本品は、19世紀に作られた壺屋焼の緑釉嘉瓶(りょくゆうユシビン)です。施された緑釉の色合いが部分によって微妙に変化する美しい一品で、現在残る近代以前に製作された嘉瓶の中でも優品の一つです。嘉瓶は、首が太く胴を中ほどで締める独特の形をしており、胴中央が細くなるのは、持ち歩きに便利なようにするための工夫とも言われます。壺屋焼の中でも、形のバランスをとることが難しい器種の一つとされます。
沖縄方言で「ユシ」は、「めでたい」の意味があり、嘉瓶はかつての沖縄(琉球)で酒器として使われていました。おもに首里や那覇の上級士族の間で使用され、結婚などの祝い事でお祝儀用に酒(泡盛)を入れて用いられました。贈られた酒は別の容器に移されて、嘉瓶はもとの所有者に戻されます。このためか、肩の部分に家紋の入ったものもあります。それだけに優れた作品も多く、最後の琉球切手の図案にもなっています。
(サイズ:高さ35cm、口径7.7cm、底径13.8cm、最大胴径16.5cm)
※詳しくは本紙をご確認ください。
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