■はじめに
はいさい
ぐすーよー ちゅーうがなびら。
私が、第34代那覇市長として舵取り役を託されてから1年余り、市民の安全・安心な生活を第一に、様々な課題の一つひとつに全力で向き合い、スピード感を持ち職員一丸となって全庁体制で臨んでまいりました。
近頃、まちを歩けばコロナ禍前の賑わいが戻りつつあると感じますが、長引く人手不足や物価高騰などの懸念があり、先行きを見通しにくい状況が続いております。
さらに、世界を見渡せば、情勢不安な地域もあり、決して私たちも無関係ではありません。かけがえのない命や世界の平和を願う想いを広く発信し続けなければならないと強く感じております。
このような中、進む方向を的確に見定め、那覇の魅力を最大限に発揮し、誰ひとり取り残さず、笑顔あふれる楽しい暮らしを未来へ繋ぐ、それが私に与えられた使命の一つであります。
「未来を拓く、なは☆ひとづくり、まちづくり、ゆめづくり」。このキャッチフレーズをぶれることなく掲げ続け、歩みを止めることなく迅速果断(じんそくかだん)に前進してまいります。
市民の皆様並びに、本市議会の皆様におかれましては、より良い市政の実現に向け、格段のご理解とご協力を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。
ゆたさるぐとぅ うにげーさびら。
◇1.時代に適応した第5次那覇市総合計画の推進
本市の最上位計画である第5次那覇市総合計画が、残す所あと4年となりました。市政が拠って立つ本計画の推進を加速させていかなければなりません。
昨年は、社会情勢の変化を的確に捉え柔軟に対応するため、市民の皆様や議会の皆様ご参画のもと総合計画の中間検証及び見直しを行いました。
平成30年度策定時には予測することが困難だった社会情勢の変化を踏まえ、「withコロナ・afterコロナへの対応」、「デジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進」、「SDGs(持続可能な開発目標)の達成」、「カーボンニュートラル(脱炭素化)の実現」、「ウェルビーイングの実現」を5つの見直しの柱として掲げております。
中でも、私は、総合計画の推進を勢いづける鍵はDXにあると考え、行政手続オンライン化の拡充など市民サービス向上に直結する取組を確実に進め、新しい技術についても積極的に取り入れてまいります。
そして、施策の全てでSDGs及びウェルビーイングを意識し、持続可能で市民がより幸福を感じられるまちづくりに向けて取り組んでまいります。
主要事業:
・デジタル化推進事業…3,424万円
・なはSDGs推進事業(多様なつながり地域づくり)…749万6千円
◇2.みんなで育むこどもたちの未来
人は皆、成長過程の中で、たくさんの人々に支えられております。
こどもたちを支えるのは社会の役割です。そのためには、妊娠・出産・子育てを一体的に支援することが、健やかな成長を支える有効な手立てだと考えております。
この思いを形にした「こども家庭センターなは」がいよいよ今年8月に開所する予定でございます。
本センターでは、母子保健と児童福祉の連携強化を図り、ヤングケアラーの問題も含め、深刻な児童虐待を発生させない仕組みづくりなどを進めてまいります。
また、子育て環境の充実のために、学校給食費無償化について、早期実現に向け他市町村と連携し、沖縄県へ積極的に働きかけてまいります。
こどもたちが見守られていることを感じられ、那覇に生まれ育ってよかったと思っていただけるよう、こどもの成長に応じて、温かくきめ細やかな支援を行うとともに、より良い子育て環境を引き続き充実させてまいります。
主要事業:
・支援対象児童等見守り強化事業…1,485万1千円
・学校給食における物価高騰対応事業…9,344万9千円
◇3.産業界が躍動する那覇の未来に向けて
今後予定されている泊漁港一帯の再整備では、多くの方々が訪れ、水産業や観光業に好循環が生まれ、その効果が多角的に広がっていくものと考えております。
また、那覇軍港周辺においては、臨空・臨海都市としての産業集積の環境が整っております。本市の経済発展に寄与する拠点の創出に向け、引き続き利活用の調査・検討を行い、跡地利用を円滑に進める基礎資料の一つとなるよう取り組んでまいります。
一方、地域経済を支える事業者を取り巻く環境の変化は著しく、本市には即応性の高い施策の展開が求められております。
課題となっている人材不足への対応に向けて、事業者のDX化促進を支援するなどの各種取組を着実に行い、労働生産性の向上や働く人の多様化に繋げてまいります。
さらに、地域経済への波及効果が期待される都市型MICEの誘致促進については、内部体制及び関係機関との連携を強化するとともに、今後戦略的に挑戦してまいります。
主要事業:
・泊漁港将来像構想策定事業…1,109万2千円
・那覇市産業DX促進支援事業…2,200万円
◇4.平和に向けた変わらぬ想い
今日、苛烈な紛争が「ウクライナ」や「パレスチナ自治区・ガザ」で続いております。多くの一般市民が犠牲となり、未来あるこどもたちが命を落としていくことに、私も胸が張り裂ける思いをしております。
ここ沖縄でも、先の大戦で悲惨な経験をしており、このような同じ過ちを繰り返さないために、戦争体験者の言葉や思いを後世に伝え、平和の尊さを受け継いでいくことは重大な責務であります。
昨年、「平和と安全の維持」を目的とする国際連合機関と本市が、平和に向けて共に取り組んでいくことが重要であると強く感じ、国際連合大学のチリツィ・マルワラ学長をお招きし、講演会を開催致しました。
今後も国連機関の誘致などあらゆる可能性を探り、平和の尊さを本市から発信するとともに、争いのない世界を追求していく決意であります。
その想いを強く抱きながら、平和行政の取組を前進させてまいります。
主要事業:
・沖縄戦体験者証言記録映像制作業務…149万3千円
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