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令和6年度 施政方針(2)

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沖縄県那覇市

◇5.支援の手が重なり広がる社会を目指して
近代日本経済の父と称され、中央慈善協会(現:全国社会福祉協議会)の初代会長でもある渋沢栄一氏は、『できるだけ多くの人に、できるだけ多くの幸福を与えるように行動するのが、我々の義務である。』という言葉を残しました。
様々な社会福祉事業にも尽力した氏の言葉は、まさに行政の使命と捉えることができるのではないでしょうか。
渋沢氏の時代から約100年が経ち、家族構成など社会の在り方は多様化し、地域のつながりも希薄化した現在においては、市民一人ひとりが暮らしと生きがい、地域を共に創っていく地域共生社会の実現が求められております。
本市では、対象者の属性や世代を問わない相談支援や、地域との繋がりをつくる参加支援、地域づくりに向けた支援などを一体的に実施する体制整備に向け、庁内横断的に取り組んでまいります。
また、教育格差や情報格差など人々に様々な隔たりを生む貧困への対策については、施策を拡充させることで、できるだけ多くのこどもたちに支援の手を差し伸べ、経済的な理由でこどもたちの選択肢が狭まることがないよう力を入れて取り組んでまいります。
主要事業:
・那覇市まなびクーポン事業…1億9,966万4千円
・子供の貧困緊急対策事業…1億8,529万1千円

◇6.災害への備えを高め、環境と共生するまち
新年を祝う元日に発生した能登半島地震は、天災はいつどこで起こるかわからないことを、私たちに改めて突きつけました。
本市においては、昨年8月の台風第6号の影響で、長時間の停電や断水等が発生し、17年ぶりに災害救助法が適用されるほど甚大な被害を受けました。
私も被害状況を目の当たりにし、一刻も早い被災者支援及び災害復旧等に全力で取り組んでまいりました。
如何なる時でも災害に対応するためには、国や県との連携に加え、市民・民間企業・各団体と防災のネットワークを広げ、日ごろからコミュニケーションを図る必要があります。
災害への対応力を高めるインフラ整備も含め、平素からの備えを高め、災害に強いまちを造り、市民の皆様の生命・財産をしっかりと守ってまいります。
また、自然災害の増加原因の一つと言われている地球温暖化への対策は、今般改訂した第3次那覇市環境基本計画において、重要課題の一つに位置づけております。
昨夏の全国的な記録的猛暑は記憶に新しく、気象庁によれば、2023年の平均気温は、統計史上最高となったとの発表がありました。
世界的な視点でも、カーボンニュートラルの実現は、ますます関心が高まってきております。
本市においては、今年1月末ゼロカーボンシティ宣言を行い、今後もよりいっそう環境に配慮した事業を推進するとともに、一人ひとりの環境への意識啓発や民間企業等との連携を積極的に展開し、環境と共生するまちづくりを目指してまいります。
主要事業:
・水道更新(耐震化)事業…7億7,400万円
・崖地防災対策事業…290万円

◇7.みんなの力で、よりよい暮らしを
昨年は、新たに金城小学校区まちづくり協議会が設立されるなど、協働によるまちづくりの裾野は確実に広がってきています。今後も、活動団体への支援を充実させ、地域自らが課題を解決できる環境づくりを進めてまいります。
また、私は、全ての市民が住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができる仕組みである地域包括ケアシステムの構築を目指しております。
その土台となる、校区まちづくり協議会が、市内全地域へ設立されることを目標に、引き続き、支援を充実させてまいります。
先人たちの教えのとおり、目まぐるしく変化する社会状況の中においては、手と手を携え、物事に取り組んでいくことは不変の真理です。
よりよい暮らしの実現に向け、人と人とのつながりを大切に、行政と地域の多様な主体との協働を推し進めてまいります。
主要事業:
・校区まちづくり協議会支援事業…1,692万2千円
・コミュニティ供用施設整備事業(防衛交付金)…3,769万5千円

◇8.学びの場を見つめ、文化を受け継ぐ
教育現場の最前線に立つ教員は、休職者数の増加や志願者数の減少など厳しい環境に置かれており、その負担軽減は全国的な課題となっております。
本市では、「教員負担軽減タスクフォース」を中心に、校務のDX化推進など実効性のある取組を一つひとつ積み重ね、教員の負担軽減を目指してまいります。
また、戦中・戦後の混乱により義務教育が受けられなかった方々や、不登校となった方々及び在住外国人など様々な市民・県民のニーズに対し、学び直しの場となる夜間中学のあり方について、今後も沖縄県と協議し、連携を深めてまいります。
さて、那覇の文化を後世へ引き継ぎ、発展させていくことを目的として、昨年、「旗頭のまち」宣言を行いました。那覇発祥である旗頭は、地域の絆を深め、青少年の育成という役割も持つなど、本市の歴史文化には欠かせない存在であります。
本市を代表する壺屋焼や首里織などの伝統的な文化芸術・芸能にも、受け継がれてきた思いや弛まぬ研鑽が息づいています。
そして、本市には多種多様な団体が活動しており、その活動は人々の生活に彩りと豊かさを、まちに活気をもたらします。
これらの活動の後押しや環境の整備など、担い手目線の取組を進め、連綿と続く流れを受け継ぐとともに、これからの那覇の新しい文化芸術・芸能を育むため尽力してまいります。
主要事業:
・教員業務支援員配置事業…1億2,342万7千円
・なはーと文化芸術事業…9,292万2千円

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