同和問題啓発強調月間特集
~「本人通知制度」を知っていますか~
毎年9月は同和問題啓発強調月間です。同和問題に関しては、結婚や就職時に身元調査が行われ、結婚に反対されたり、就職時に不利な取り扱いをされるという問題が今も起こっています。
こうした身元調査は、同和問題に限って行われるものではありません。私たちの大切な個人情報が記載された戸籍や住民票が、知らないうちに不正取得されている可能性があることをご存じでしょうか?
■今、狙われる個人情報
戸籍や住民票には、住所や本籍地、家族構成、結婚や離婚の経歴など、その人の大切な個人情報が記載されています。
こうした情報が他人によって不正取得されると、結婚や就職時の身元調査、また詐欺やストーカー行為などの犯罪に悪用される可能性があります。
戸籍などを請求できるのは本人や限られた家族だけですが、特定の国家資格を持った人には職務上の請求が認められており、これを悪用した有資格者による不正取得事件がこれまでに何度も発生しています。
◆これまでに発生した主な不正取得事件
▽2005年
兵庫県、大阪府、愛知県などの行政書士による大量の戸籍などの不正取得事件が発覚
▽2011年
東京都の法務事務所が仲介業者を通じて全国の調査会社からの依頼を受け、1万件以上の戸籍などを不正取得していた事件が発覚
▽2021年
栃木県の行政書士が調査会社の依頼を受け、滋賀県内を含む全国の市町村から約3,500件の戸籍などを不正取得していた事件が発覚
◆そこでできたのが…不正取得を抑止するための『本人通知制度』
相次ぐ不正取得事件の発生を受けて、全国の市町村で「本人通知制度」が導入されています。これは、第三者があらかじめ登録された人の戸籍などを取得した場合、本人に取得された事実が通知されるという制度です。
多くの人がこの制度に登録することで、不正取得の早期発見や事実関係の究明が可能となるだけでなく、結婚差別などの重大な人権侵害につながる身元調査を抑止する効果も期待されています。
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