滋賀県にはそれぞれの地域で大切に作られている、おいしいものがたくさん!
ふだん何気なく口にしている特産品や豊かな食文化に改めて目を向けてみると、おいしさの理由が見えてきます。
■新品種「きらみずき」本格デビュー!
今秋、滋賀県の農業技術振興センターが14年の歳月をかけて開発した近江米の新品種「きらみずき」が、いよいよ本格デビューします!目指したのは暑さに強くて安定的に作りやすく、味の良い米。従来よりもさらに厳しい基準のもと、環境に配慮した栽培方法で育てられた「きらみずき」をぜひ味わってみてください。
■「きらみずき」の環境こだわり農業とは?
滋賀県では、米をはじめとする多様な農作物で、化学合成農薬や化学肥料の使用量を通常の半分以下に減らすなど、琵琶湖をはじめとする滋賀県の豊かな自然環境に配慮した「環境こだわり農業」を推進してきました。
「きらみずき」は、この「環境こだわり農業」の中でも、特に厳しい基準で栽培されています。これだけ厳しい栽培基準を県域で設けたお米は「きらみずき」が全国初であり、未来の近江米の主力品種になると期待されるお米です。
令和6年産「きらみずき」は県内直売所や量販店だけでなく、京阪神地域でも販売を予定しています。
■[品種開発者の声]おいしくて環境にやさしい新品種
滋賀県農業技術振興センター 栽培研究部 水稲(すいとう)育種係 係長 吉田 貴宏(よしだたかひろ)さん
※「吉田」の「吉」は環境依存文字のため置き換えています。正式表記は本紙をご覧ください。
「きらみずき」は粒が大きく、しっかりとした米粒の食感がありながらも、噛むと中はやわらかくてもちもち。噛んでいるうちにほどよい甘さ、お米のうまみが凝縮した味が口の中に広がります。
「みずかがみ」よりも収穫時期が少し遅い品種として開発しました。暑さに強く台風等でも倒れにくく、気候変動に対応したいい品種ができました。病気が出ても農薬は使えない、有機質肥料は化学肥料に比べて効かせるタイミングが難しいなど、「きらみずき」の栽培方法には厳しい基準が課せられています。自然だけでなく地域の環境、一緒に暮らしている人たちに配慮した栽培方法で育てておられる生産者の思いを、県民の皆さんにも知っていただきたいです。
「きらみずき」のおいしさには自信を持っています。おいしくて、環境にやさしい「きらみずき」を皆さんに愛していただければと思っています。
■[生産者の声]県のサポートでオーガニック栽培に挑戦
きらみずき生産農家 JAグリーン近江 オーガニック研究会 会長 堀江 常雄(ほりえつねお)さん
農林水産省の「みどりの食料システム戦略」のニュースをテレビで見て、世の中のニーズに対応してオーガニック栽培に取り組むことは経営的にいいかもしれないと考えました。昨年から新品種「きらみずき」の栽培を始め、県やJA、JAグリーン近江オーガニック研究会の皆さんからアドバイスを受けたり意見交換しつつ、いろいろ試しながら育てています。
オーガニック栽培は普通の栽培方法より雑草対策に手がかかりますが、暑さに強く、背丈が低いので台風などで倒れにくい「きらみずき」は、背丈の高いコシヒカリよりも育てやすいと感じています。また、初めの成長が旺盛(おうせい)なため、田面を「きらみずき」が早く覆(おお)い、雑草対策にもなっています。
昨年初めて「きらみずき」を収穫して、炊(た)き上がったご飯を見て、まず粒の大きさのインパクトに驚きました。食べてみると想像していたよりずっと上の異次元のおいしさ!「きらみずき」をぜひ食べてみてください!
■地域ブランドとして認められた産品
「地理的表示(GI)保護制度」とは、特定の産地に根ざした品質や社会的な評価を有する農林水産物や食品だけが、その産地名を独占的に名乗ることができる制度。高い品質と信頼のある特産品として、国によって認められた証ともいえます。滋賀が誇る「おいしい!」は身近にたくさんあります。購入の際はGIマークをチェックしてみましょう。
▽近江牛
日本三大和牛の一つ。約400年前から生産が続く。
▽伊吹そば
伊吹山麓で栽培されている香り高い品種。
▽滋賀の地酒
滋賀の米・水により滋賀製造、審査に合格した清酒。
▽近江日野産 日野菜
室町時代のカブを起源に、地域で守られてきた品種。
▽水口かんぴょう
天日干しで作られ、やわらかく味がよくしみこむ。
滋賀県にはGI以外に、地域で世代を超えて受け継がれる郷土料理や100年フードがいくつもあります。ぜひホームページで滋賀の食文化をチェックしてみてください。
お問い合わせ:滋賀県みらいの農業振興課
【電話】077-528-3892
【FAX】077-528-4882
【メール】gc00@pref.shiga.lg.jp
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