■変わりゆくもの 変わらないもの
長い歴史に育まれ、受け継がれてきた伝統行事。
何百年も続いてきた伝統を参加しやすい形に変更するのは容易ではありません。
何年も話し合い、協議して「変えていくもの」「変えてはいけないもの」を精査し、少しずつ変わってきました。
◆担い手が直面する課題
・地域や集落の人口減少、若者の東京・大阪などの都市部への流出による継承者不足。
・祭礼の伝統や儀式の詳細を受け継ぐ保存会などの、スムーズな世代交代が難しい。
・伝統的な技法を持つ職人が減り、神事など重要な道具類が調達しにくい。
◆伝統の継承に向けたさまざまな取り組み
・子どもの頃から地域の祭礼にふれることで、未来の担い手(祭礼を大事に思う人)を育む。
・担い手の縛りを緩和して、祭礼のファンや担い手を確保する。
・「近江のケンケト祭り長刀(なぎなた)振り連合保存会」「勝部町と幸津川町の菜の花協定」のように、担い手同士が助け合う。
・かつては口伝・文書しかなかったが、映像や動画などで儀式の所作や詳細を視覚的に残すようにする。
■松明組(たいまつぐみ)が取り組む「勝部の火まつり親子教室2023」
令和5年松明組 組長 田中 淳(たなかあつし)さん
守山市も勝部も人口が増えているのに、松明組など祭礼の担い手は減ってきています。かつては地域の若者だけで組織していた松明組ですが、市域全体から募ることにしました。
火まつりのファンが増えて「やりたい」と思ってもらうことが大事で、「火まつり」のことや、松明組の活動を知ってもらうために、今年度、初めて市内小学生の親子を対象に教室を企画しました。
▽火まつりのオモテもウラも学んで
5月から始まった親子教室では、一年を通した準備や松明組の日頃の活動など、普段は見えない「火まつり」の裏舞台を学び、活動を体験しています。
教室に参加した子どもたちは、令和6年の火まつりで「提灯(ちょうちん)持ち」として祭礼を担うことになります。「勝部の火まつり」に、初めて女の子の担い手も誕生します。
また、松明組では一緒に祭りを盛り上げてくれる仲間を募集しています。興味のある人はインスタグラムのダイレクトメッセージからお問い合わせください。
10月の教室では、大松明の大きさや作り方を学んだ後、実際に燃やした菜種殻で焼き芋を作り、みんなで食べました。12月の教室で、いよいよ松明結いを体験します。
問合せ:文化財保護課
【電話】582-1156
【FAX】582-9441
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