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守山てんこもり

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滋賀県守山市

■漢字で悩活、気持ちもイキイキ
漢健(かんけん)サロンを広げたい SNSグループ

下之郷自治会、浮気自治会、赤野井自治会では、漢字検定を用いて健康づくりにつなげる「漢健サロン」が行われています。
今回は、各サロンの指導をしながら、「漢健サロン」を市内のたくさんの自治会や地域に広げていこうと活動している「SNSグループ」を取材しました。

◇漢字検定で健康づくり 元教師の新しい挑戦
誰もが毎日読み書きしている漢字。日本漢字能力検定の10級(初級)は、小学1年生で習う漢字が出題されます。
3人の元教師[中川法夫(なかがわのりお)さん、清水佐代子(しみずさよこ)さん、村瀬幸子(むらせさちこ)さん]の名前イニシャルを組み合わせた「SNSグループ」は、「漢字検定を用いた健康サロンに取り組む地域を増やしたい」と活動しています。
下之郷に住む、元国語教師の中川さんは、退職後に漢字検定に挑戦し、準一級まで合格しました。漢健サロンに取り組みはじめたきっかけは、超高齢化が進む日本で65歳以上の5人に1人が認知症になるといわれる「2025問題」。構想から準備を進めて、半年かけて令和3年10月に下之郷自治会で参加者8人でスタートしました。
サロンの効果と手応えを感じた中川さんは、その後、生涯学習のまちづくりなどを助言する社会教育委員会で一緒だった清水さんと村瀬さんに声をかけ、令和4年12月に浮気自治会で、今年1月に赤野井自治会でも「漢健サロン」が始まりました。どの教室も初めは「人が集まってくれるかしら?」と心配しましたが、順調に参加者が増えているそうです。

◇ドリルを解いて答え合わせ 思い出も勉強もよみがえる
10級の漢検ドリルを解いてみると、確かによく知っている漢字なのですが、筆順やトメ・ハネ・ハライなど細かい部分はうろ覚えなものです。一生懸命に思い出しながら机に向かってドリルの問題を解き、仲間たちと答え合わせをします。先生に当てられて懐かしいチョークで黒板に書くこともあります。子どもの頃を思い出すことも、漢字の細かい部首や書き順を考えて書くことも、先生に当てられた時のドキドキも、すべてが脳活になります。サロンの前半は漢字検定のドリル、後半は漢字パズルや言葉を用いたゲームなど遊び感覚で楽しむようにしているそうです。
最初にサロンが始まった下之郷自治会では、昨年6月に自治会館を試験会場として検定を受けた高齢者全員が見事合格。満点合格の人もいたとか。10月のサロンで自治会長から合格証書を手渡された人は、照れくさそうにしながらも自慢げ。とてもうれしそうにしていました。
中川さんは「高齢になると賞状をもらうことなんてあまりないですから、喜んで額に入れて飾ってくれる人もいます。認知症の診断をされた人も仲間と楽しく勉強して検定に合格。今は9級を目指して勉強しています。ご夫婦数組も仲良く参加。指導にあたる私もうれしいです」と話していました。

◇気持ちは小学1年生 うれし懐かし脳活サロン
もう一つ、漢健サロンの大きな役割が地域の仲間づくりと異年齢交流だそうです。4月に入学した新小学1年生も、翌年の4月~6月は高齢者と一緒に模擬テストを受けて検定本番に臨みます。子どもたちのテストを採点する先生は「おじいさんとおばあさん」です。
高齢者世帯も多いので、子どもたちと交流を深めて、脳も心もたくさんの元気とエネルギーをもらえるといいます。
SNSグループの活動は、このほど社会教育委員会事業になりました。「漢字検定」はあくまで楽しく脳活するツールなので、検定の勉強はしますが受けなければならないという決まりはありません。
SNSグループの皆さんは「外に出にくい高齢者が自治会館まで来てくれて、仲間と出会い、ゆるやかな目標を目指して楽しんでもらうのが目的。元教師の私たちも、改めて漢字を勉強したり、どうしたら楽しく勉強できるかなと考えたりして脳活になっていると思います。まずは市内の自治会に、将来は県域にまで漢健サロンを広げたい」と大きな夢を話していました。

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