私はスイカがあまり好きではない。きっかけは小学2年生の夏休み。畑でスイカを育てていた祖父が、おやつの時間になるとうれしそうにスイカを切って私に出してくれた。私は「おいしい!何個でも食べられる!」と少し大げさに喜んでスイカを頬張った
私は知らなかったのだ。畑のスイカが数日の間に大量に収穫されることを。次の日もその次の日も、祖父はスイカを切って出してくれた。数日後にはカットすることもやめて半玉出してくれるようになった。私がスイカをおいしいと思う気持ちと、祖父が出してくれるスイカの量が反比例していった
夏休みが終わる頃、私はスイカが嫌いになっていた。でも、祖父のことは変わらず好きなままだったので、夏休みになると毎年スイカを食べていた。今はもう、絵日記のように鮮やかで懐かしい思い出。(た)
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