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「忘れない」から「想(おも)いを届ける」コンサートへ

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滋賀県守山市

◆音楽でみんなのエールを被災地へつないでいく
「忘れない」から「想(おも)いを届ける」コンサートへ

平成23年3月11日に発生した東日本大震災の年から、災害の記憶と復興の願いを託して、毎月11日に「メモリアルコンサート」(これから行動隊主宰)が開かれてきました。メモリアルコンサートは、このほど150回の節目を迎え、びわこ音楽家協会主宰の「近江より被災地への想(おも)いコンサート」に変わりました。

・メモリアルコンサートが始まった時から、演奏や出演者の手配に尽力してきた、びわこ音楽家協会 代表の吉田 桂子さん
・びわこ音楽家協会のメンバーで、メモリアルコンサートを立ち上げた福島県出身・チェロ奏者の菱倉 新緑さん

菱倉新緑(ひしくらしんりょく)さん:東日本大震災の数ヵ月後に実家の様子を見に被災地へ行って、がくぜんとしました。「忘れないで」「また来てね」との被災者の声に、故郷を思い不安と焦りを募らせながら、音楽家の私に応援できるのは音楽しかないと。旧都賀山レストランで予告なしの演奏をしました。
吉田桂子(よしだけいこ)さん:まだ「メモリアル」の名前もなく、普段着で楽器だけを持って演奏しましたね。メモリアルコンサートとしての第1回は、その年の11月11日でした。
菱倉さん:コロナ禍の中止もありましたが、13年間続けてこられたのは、吉田さんやライズヴィル都賀山さん、それから観客の皆さんのおかげ。募金や被災地物産の販売でも、たくさんの善意に支えられました。私も傘寿(さんじゅ)を過ぎ、安心してバトンを渡せる人がいることに感謝しています。
吉田さん:「災害を忘れない」「音楽で被災地を応援したい」という趣旨に賛同して、市内だけでなく県内から出演してくれる音楽家も増えてくれました。けれど、東日本大震災の後も、全国各地で災害が起き、悲しみにくれる被災者がいます。なので、コンサートの名称は「近江より被災地への想いコンサート」に変えることにしました。
菱倉さん:最後のメモリアルコンサートでは、会場満員のお客様が演奏を聴き、たくさんのお声掛けをいただきました。これからは、被災地を故郷に持つ一人の音楽家として、コンサートを見守っていきたいと思っています。
吉田さん:13年間続けてきた、菱倉さんの「被災地を忘れない」気持ちを受け継ぎながら、災害の少ない恵まれた守山から「被災地のために何かをしたい」という観客や演奏者の気持ちが届くようなコンサートにしていくつもりです。

◆被災地への想(おも)いは変わらず 笑顔と善意が集う演奏会を
ライズヴィル都賀山 柴田一城(しばたかずき)支配人

コロナ禍の中止や、本施設の移転整備で使用できない期間もありましたが、本施設にとって「メモリアルコンサート」は、とても大切なコンサートイベントでした。
平成23年の第1回コンサートから150回コンサートまで、観客9、841人、義援金約250万円が寄せられました。毎年3月11日のコンサートは満員で、災害が風化していないと実感できました。
市民が集い楽しむ文化の拠点として、被災地支援の一助として、私たちはライズヴィル都賀山から美しい音色が響きわたり続けるように、変わらぬ「おもてなし」に心を尽くしたいと思います。

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