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佐川美術館アートコラム(88)

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滋賀県守山市

■作り手のひらめき
ものづくりからアートへ

佐川美術館
学芸員:藤井 康憲(ふじいやすのり)

世界に誇る日本のものづくりは、世にさまざまな製品を送り出しています。「もっと便利に」「もっと楽しい」製品のために日々新たな挑戦をし続ける人たちの活躍は、最近のメディアでもしばしば取り上げられています。
ものづくりの原動力となるのが「ひらめき」です。人々の想像を上回る、アッと驚く発明は私たちの好奇心をそそり、どのように制作されたのか舞台裏にも注目が集まっています。そんなものづくりの業界をメディアアートの面から盛り上げているのが「TASKO(タスコ)」です。ものづくりを土台に、美術デザインの分野にも活動を広げ、舞台美術、ウィンドウディスプレイや商業施設での装飾、美術館の展示空間など多岐にわたる作品づくりで、国内外で活躍しています。
彼らの作品の一つに《パフューマリー・オルガン》があり、香階(こうかい)(香りを音階に見立てた並び)をもとに、鍵盤の音色とともにアロマの香りが漂う仕掛けがなされています。19世紀後半にイギリスの化学者・ピエスが考案した香階を、オルガンの構造に当てはめると面白いのではないかという発想から生まれた作品です。芸術において「視覚」や「聴覚」に注意が払われますが、「嗅覚」をアートに取り入れるひらめきがありました。
12月19日(木)から開催される「つくる展」では、そんなひらめきに満ちた作品が一堂に会します。私たちの発想力や創造力が刺激され、自分も何かを「つくりたくなる」、そんな体験をしてみてはいかがでしょう。

※開館情報は、佐川美術館ホームページでご確認いただくか、電話〔【電話】585-7800〕でお問い合わせください。

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〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

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