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守山てんこもり

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滋賀県守山市

漫画「ちはやふる」で一躍ブームとなった、小倉百人一首。 
紫式部(むらさきしきぶ)も「巡りあいて 見しやそれともわかぬまに 雲がくれにし 夜半の月かな」と詠んでいます。 
今回は、日本の文化を知り、新たなものに挑戦する機会として百人一首を子どもたちに伝えている、五色百人一首守山教室の溝口 佳成さんを取材しました。

■百人一首で真剣に遊んで めざすのはチャレンジの名人
五色百人一首守山教室 溝口 佳成(みぞぐちよしなり)さん

▽伝統文学の百人一首を学びと交流のツールに
伝統文化こども教室「五色百人一首 守山教室」は、毎月1回河西公民館で活動しています。1月、令和5年度の集大成となる「五色百人一首 滋賀県守山市大会」が開かれました。 
五色百人一首は、子どもたちが日本の伝統文化や古典文学に親しみやすくするために、青・桃・黄色・緑・橙(だいだい)の20枚ずつに色分けした百人一首(かるた)です。 
もともと五色百人一首は、全国の教師で構成する団体が、学級で子どもたちに百人一首に親しんでもらえるよう考案したもので、授業や休み時間に取り入れている小学校なども多いそうです。全国で、学校内だけでなく地域に教室を立ち上げ、社会活動の一翼を担う教師も出てきました。 
小学校教諭の溝口 佳成さんも児童の学びや親睦を深めるために五色百人一首を取り入れていました。そこで、子どもたちの反応に大きな手応えを感じ、8年前に実家のある守山で教室を開くことにしたそうです。

▽古典文学はもはや異文化チャレンジを楽しんで
子どものころから純粋に百人一首が好きだったという溝口さんの教室では、競技かるたのような迫力ある練習ばかりの活動だけではありません。 
和歌は四季折々の風景や心の機微を詠んだ歌です。和歌を詠む不思議なリズム感や節回しに、情景を思い浮かべたり歌の意味を知ったり、かるた取りでなくともたくさんの魅力があります。 
平安時代の風景や独特の「ことば遊び」などは、現代の子どもたちにとって海外旅行と同じくらい大きな異文化への挑戦です。溝口さんが目指しているのは、子どもたちに「新しいものに挑戦する力」を育む教室です。 
色分けした20枚の札を使って真剣にかるた取りをするのは活動の基本ですが、ほかにも和歌の意味を勉強をしたり、日本舞踊で歌の意味を表現する「舞」を楽しんだりもします。最近ではユニスポもりやまとコラボして、定期的にボッチャの体験もしています。

▽コロナ禍の苦労も五色の夢につないで
顔を合わせて同じ札を取り合う五色百人一首の教室は、コロナ禍の直撃を受けました。活動中止が長引いている間に、指導できる教師やスタッフも減ってしまいました。 
新春の守山市大会もスタッフが少なく、教室の中学生や卒業生に助けてもらいながら実施したそうです。伝統文化を守るためにも、子どもたちのためにも、教師や大人の間で五色百人一首が広がってほしいといいます。 
溝口さんは「実は来年、第1回五色百人一首の全国大会が滋賀県で開催されます。全国では五色百人一首を楽しんで育った卒業生の中から、百人一首の名人やクイーンが生まれています。6月から始まる守山教室は、子どもが伝統文化の魅力にふれることを目的としています。いつか、子どもたちが大人になっても百人一首の魅力にふれて、次の世代へとつなげていってくれるとうれしいですね。子どもたちの笑顔と未来への夢が教室継続への原動力です」と話していました。

※小倉百人一首は、藤原定家が平安時代~鎌倉時代初期の優れた歌人の百首を選び出したものといわれています。

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