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佐川美術館アートコラム(79)

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滋賀県守山市

■時代を越えて愛され続ける信楽焼
佐川美術館
学芸員:藤井 康憲(ふじいやすのり)

他府県の人に「滋賀県といえば?」と尋ねると、まず第一に琵琶湖、近年映画で話題となった〝とび太くん〟や〝ひこにゃん〟といった声もよく耳にします。しかし昭和、平成、令和と長きにわたり、滋賀県を代表するものとして忘れてはならないのは、信楽焼のタヌキではないでしょうか? 
信楽焼の歴史は、なんと700年以上も続いており、日用雑器から茶道具に至るまで幅広いやきものが生産されてきました。明治の頃には火鉢の生産が盛んとなり、そのシェアは全国一になるほど。現在は食器、インテリア、建材などの生産が主流となり、時代の変化に応じてさまざまな発展を遂げています。そんな信楽焼が全国的に広がるムーブメントを引き起こしたのが、タヌキの置物です。きっかけは1951年の昭和天皇の信楽行幸でした。日の丸の旗を持たせた信楽焼のタヌキを並べ天皇をお迎えしたことがニュースとなり、一躍注目を浴びました。 
その後、再び昭和天皇がこの地を訪れた際には皇后陛下がカエルの置物を持ち帰られ、平成天皇訪問の際は、フクロウの置物がお出迎えをしました。タヌキだけでなくカエルやフクロウも信楽焼のモチーフとなり、長年人々に愛されて続けてきました。 
なんと春季企画展では、その信楽焼が、ゲームやアニメで人気を博す「ポケモン」とコラボレーションします。「ポケモン×工芸展―美とわざの大発見―」では、新たな進化を遂げた信楽焼をご覧いただけます。

※開館情報につきましては、ホームページでご確認いただくか電話〔【電話】585-7800〕でお問い合わせください。

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