■鮮やか色の足跡を描いている
杉本優子(すぎもとゆうこ)さん、湖子(ここ)さん 母娘で楽しむ絵画の世界
昨年12月に京都で初の個展を開いた、中学生の杉本湖子さん(金森町・14歳)が、次は日本画家のお母さんと市民ホールで「母娘展」に挑戦することになりました。
日時:8月31日(土)~9月8日(日)
場所:市民ホール 展示室
内容:つながる つなげる 絵を描く母娘の展覧会
◆県展不可から個展開催へ 初挑戦がうれしい誤算に
守山南中学校3年生の杉本湖子さんは、母の優子さん(雅号(がごう):竹林柚宇子(たけばやしゆうこ))が日本画や看板絵などを描いているのを幼い時から見ていました。余った絵具をもらって、覚えていないくらい幼い時から絵を描いていました。
絵を描くのが当たり前の環境で、初めて技術や美術を意識したのはコロナ禍。持て余した時間に模写をしていて納得できず「うまくなりたい」と思ったそうです。
美術科のある高校進学を考えるようになり、希望進路に役立つと思い県展の出品を目指して大作に挑戦しましたが、出品間近になって中学生以下の出品ができないと知ったそうです。
優子さんの人脈で美術商に作品を見てもらう機会をもらえましたが、京都での個展につながったのは湖子さんの実力です。中学生の個展は、メディアにも注目されました。
◆描きたいテーマは「可愛(かわい)い」 想像力をかきたてて
水彩やアクリルなど多彩な画材を使う湖子さんの作品テーマは「可愛い」。
個展では観賞魚ベタをモチーフに、想像力を膨らませ、長いヒレを揺らして泳ぐ姿がドレスのようで「可愛い」と感じて描きました。
母娘展が決まった頃、優子さんと買い物に行ったスーパーの食品売り場で見たパック詰めのムキエビがプリプリして「可愛い」と感じて手に取りました。湖子さんにとってはレタスやカボチャも可愛くて、新作のモチーフは「食材シリーズ」になりました。
◆描きたいものは違うけれど 好きな道をまっすぐに歩く絆
優子さんは、湖子さんの成長を日本画で描き続けてきました。母娘同じ部屋で寝起きし、肩を並べて創作していましたが、個展が決まってから部屋が手狭になり、大工の父・剛(つよし)さんのDIYで湖子さんのアトリエができたそうです。
日本画家である優子さんは、母娘展の準備を進めながら14歳のみずみずしい感性に驚くことも多いとか。「ほんまに絵を描くことが好きで、自由に描いている。大人でもない少女期の感性は貴重なものです。母としても、同じ創作の担い手としても、湖子の作品を見てほしい」と話していました。
◇家族の声
・絵のことは分からないけれど好きな道を進んでくれたら
剛さん(父)
湖子が京都で個展を開いた時も、メディアに取り上げられた時も、市民ホールで母娘展を開くと聞いた時も「そうなんや~」と大げさに驚いたりはしませんでした。
好きな道や興味のあることに夢中になるのも自由なので、妻や娘に頼まれれば協力はするけど、干渉はしないようにしています。
湖子がこのまま絵の道を目指すのかどうか、将来のことは分からないけれど、地元のホールで母娘展をするなら、ようさんの人に見てもらえたらと、こっそり知り合いなどに宣伝しています。
・愛犬のクウ
クウにはおいしそうな絵がたくさんに見えるけど、湖子ちゃんは「可愛い」をテーマに描いているんだって。
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