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佐川美術館アートコラム(89)

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滋賀県守山市

■自然が織りなす美
佐川美術館
学芸員:栗田 頌子(くりたしょうこ)

皆さんは、早起きが得意ですか。私は苦手でしたが、滋賀で生活するようになり、琵琶湖畔で朝食をとるために早起きを頑張るようになりました。朝食や椅子などを車に積み、湖畔の公園で優雅なひと時を過ごすことが休日の楽しみです。
冬の澄み切った空気の中で朝日のやわらかな光が琵琶湖に反射し、水面がきらきらと輝く様は、美しくて見とれてしまうほどです。また、湖の後景には雪化粧した山々を望むことができ、太陽の傾きや雲の流れによって刻一刻と表情を変える琵琶湖に心が癒やされます。
佐川美術館の建物を囲むように配された水庭は、琵琶湖を意識して作られたもので、晴れた日には水面に反射した光が回廊の壁や天井にゆらぎとして映し出され、その光景はとても芸術的です。また、ゆらぎは夏の強い日差しではくっきりと現れ、風が強い日は躍動感ある動きとなり、季節や天候によってさまざまな表情を見せてくれます。そこには一瞬の美しさがあり、一つとして同じ表情を見せないゆらぎは、美術館の建物の芸術性を高める効果もあります。お客さまに紛れて、私たち学芸員も一瞬の美しさを捉えようと必死に撮影をしていますが、見たままの風景を写真に収めることは難しく、なかなか納得できる写真が撮られず苦戦しています。
佐川美術館にご来館の際は、美術作品の鑑賞とともに自然が作り出す美しさにも目を向けていただき、ぜひその魅力もゆっくりと味わっていただきたいです。

※開館情報は、佐川美術館ホームページでご確認いただくか、電話〔【電話】585-7800〕でお問い合わせください。

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〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

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