卒業シーズンである。「足に合った靴さえあればどこまでも歩いていける」そう答辞を読んでから、幾年か。さまざまな靴と歩いて来た
最初のお気に入りはラメが輝くビーチ靴。川遊びで片方を流してしまいショックを受けたが、自身が流されずにすんで良かったと今は思う。次は時代を表す15cmの厚底サンダル。高さと重さを枷(かせ)ともせず、よくぞ走れたさすが10代。素っ気ない運動靴は制服の頃、その後長くは華奢(きゃしゃ)なヒールが愛用品。体重増とともに近年ローヒールが定番となるも、靴を通して思い出される姿はいつも楽しそうである
さて、もとい。聞け、15の私と卒業生。足に合う靴が見つからない時が来ても、裸足で踏み出す貴とうとさをここに記そう。「似合う」が見つからないことに悩むな。大地は靴の代わりに優しく包む。進め、楽しむために、生きよ。大切なあなた、卒業おめでとう。(O)
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