■マーケットの維持 = 農業の継続
農産物を売って支える「おうみんち」店長のホンネの話
・ファーマーズマーケット おうみんち
伊庭本 浩孝(いばもとひろたか)店長
◆少量多品目の土地柄 交通要衝の歴史あり
少量多品目の農家が比較的多いのは、守山の特徴です。それは京阪神や関東などの都市を結ぶ交通の要衝で、笠原しょうがや美崎大根など、守山の特産品といわれる農作物の行商が盛んな地域だった歴史があるからかもしれません。
もともと農家の人たちが野菜などを小規模で栽培していて、家族で食べたり、近所や知人にお裾分けしたりしても余った分を捨てるのはもったいない。少しでも収入に変えよう、という発想から、大型直売所である「ファーマーズマーケット
おうみんち」は、始まりました。
◆新規就農者もウェルカム 地元野菜を食べて応援
守山はウェルカムの空気があり、新規就農者も一般的な栽培技術は先輩農家に教えてもらえるかもしれないけれど、経験ゆえの勘どころとか、教えごとにならない微妙な技術の差はどうしてもあると思います。
農業の難しさは「すべてが自己管理」という点です。補助金などの支援を受けられる間に、真面目にこつこつ、ひたすらに苦労と経験を積み上げていくしかありません。
私たちは農家を応援し、育てていくつもりで仕事をしています。頑張って売って、食べて、支えていくので、とにかく農家の人にはおいしい作物を作ってほしい。
来店するお客さまが新鮮な地元野菜を選んで、おいしく食べる。そのことが農家の応援になります。生産者と消費者の距離をできるだけ縮めるのも、直売所の使命だと考えています。
◆特産品や名産品は努力の証 モリヤマメロンもパール野菜も
農家は皆、市場に少ない作物を栽培したり、安全・安心な野菜づくりに取り組んでいます。分かりやすいのは、特産や名産といわれる農作物です。
農家が努力を重ね、モリヤマメロンは守山を代表するブランドに育ちました。ほかにも、もりやまイチゴ、バラなどの花卉(かき)類、守山矢島かぶら、ナバナ、こばまブドウ、ナシ、イチジク、しゅんぎく姉妹、もりやまびわこパール野菜など、伝統野菜や新しい挑戦も含め、ブランディングに成功した名産品・特産品がたくさんあります。
一般的なニンジンやコマツナ、トマトなど市場でよく見る野菜や米も、市内の農家はたくさん栽培していて、学校給食や、おうみんち、スーパーマーケットの地場産コーナーに並んでいます。
おうみんちが維持できている限り、それはイコール、守山の農業が続いているということ。だから、いつまでも、いつまでも続けていければいい。それが私の夢です。
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