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[特集]未来の守山を考える(5)

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滋賀県守山市

■都市が発展しても守るべき農業がある
農政課 課長 福嶋 信宏(ふくしまのぶひろ)さん

◆農業人口減を抑える鍵に 新規就農者に寄せる期待
現在、市内の認定農業者は93件。このうち、広大な土地で米・麦・大豆を作る土地利用型農家は71件、畑作農家22件となっています。複合経営の農家も増えてきました。
滋賀県はもともと親子継承の兼業農家が多い土地柄でした。国の農業政策で大規模農家への集積が進み、さらに担い手の高齢化が進み、守山の農業人口は減っています。農業人口の減少は、耕作放棄地の問題につながります。幸い市内ではまだ多くありませんが、田園風景の中にパイプハウスの残骸があったりします。
これまで、主にモリヤマメロンや畑作で既存農家と新規就農者をつなぐことが多かったのですが、今後は土地利用型の農業でも既存農家と新規就農者をつないでいく必要があると考えています。

◆農業にきめ細かいサポートで 田園風景と市街地共存のまち
新規就農者は20歳代の若者から定年後の帰農など、さまざまなケースがありますが、どちらにしろ生半可な気持ちでできる仕事ではありません。全国的には、国や市の補助金がなくなったとたんに行き詰まって離農してしまったという話も聞きます。
田園風景と市街地がコンパクトに共存していることは本市の魅力です。農業は守山の「根っこ」。まちが発展し伸びゆくためにも守るべき産業です。
国の新規就農者に対する補助の他に、市独自で「モリヤマメロン新規就農者包括支援補助金」「守山産野菜新規就農者育成支援事業費補助金」などの制度があります。新規就農者が育つことで、既存の農家や地場産農作物も活気が出ると思います。

■まちの農業に新しい視点の風よ吹け
農政課 地域おこし協力隊担当 木下真元(きのしたまさもと)さん
しがごとまるごと協力隊ネットワーク 藤田 彩夏(ふじたあやか)さん

◆地域おこし協力隊OG・OBと一緒に隊員をサポート
一般社団法人しがごとまるごと協力隊ネットワークは、令和6年2月に県内で活動してきた地域おこし協力隊のOG・OB4人で結成した団体で、自治体と新隊員をつないだり、隊員のサポートをしたりする活動をしています。守山で初めてとなる地域おこし協力隊の募集でも、お試し滞在の企画を立てるなど協力してくれました。
県内では、これまでも各市域で隊員が活動してきましたし、現役の隊員が約40人います。しかし、定住にはつながっていないケースも少なくありません。その理由は、関係者とのコミュニケーション不足、ミッションのミスマッチ、卒業後に稼いでいけないなど、さまざまです。

◆ミッションと期待は重いけれど やりがいが「楽しい」になるように
守山は平坦で獣害も雪も少ない、農業には恵まれたまちです。暮らしの利便性も良い本市で、初めて募集した「地域おこし協力隊」は、モリヤマメロン農家の後継者と発信者という重要任務を背負っています。さらに、活動終了後は独立農家としてして定住することが期待されています。
大阪から移住して隊員となった小島さんに与えられた3年間のミッションは、正直、大変な挑戦でしょう。しかし接する中で「守山のため」という意欲が強く感じられました。
地域おこし協力隊が本市にどんな風を起こしてくれるのかを楽しみに、農業者や行政だけでなく、市民ぐるみで応援していけたらと考えています。

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