文字サイズ
自治体の皆さまへ

壷中雑記(25)―歴史文化博物館から―

16/36

滋賀県愛荘町

■明和7年4月発の高札―徒党・強訴・逃散はだめです―
博物館に収蔵されている資料には、仏像や絵画などもありますが、今回は辻や橋詰などに設置されていた「高札」について紹介します。

▽高札とは?
高札(こうさつ)とは、江戸時代には、町辻や橋詰などの人の目にしやすい場所に設置されていました。高札の内容には、人々への禁止事項などが記載されていることが大半でした。

▽当高札の現状
今回紹介する高札について、少し概略を述べていきます。まず、法量(大きさ)は縦45cm、横108cm、板の厚さは8.5cmのものになります。
文字の部分は掠(かす)れているため判読することが難しくなっており、以前墨書があった部分のふくらみから文字を判読していかないといけない状況です。

▽高札の内容
では、今回の高札にはどのような内容が書かれているのでしょうか。下記に今回の高札の翻刻分を記載しておきます。判読が困難な文字については「」にしてあります。ここでは二重線、~線、点線の三ブロックに分けて紹介を行います。
二重線では、徒党(ととう)・強訴(ごうそ)・逃散(ちょうさん)の規定をしています。百姓大勢での申し合わせを「徒党」、徒党して願事を計画することを「強訴」、村人で申し合わせて村を立ち退くことを「逃散」であるとしています。
~線では、徒党・強訴・逃散を企てた人を役所へ訴え出た場合は褒美として銀百枚が贈呈され、たとえ一旦徒党・強訴・逃散のメンバーに属していても、役所へ訴えた場合はその罪が許されることになっています。
点線では、村内で騒いでるものについて、差し押さえ、あるいは徒党に加担させなかった場合、褒美銀が出され、名字帯刀が許されたことが記されています。

▽最後に
高札自体は、全国各地に設置され、今なお自治会や博物館、資料館にて保存・保管されています。
愛荘町でも高札は掲げられており、現在の旧中山道沿いの八幡神社の参道にその高札場の跡があります。博物館では、今回紹介した高札について詳しく紹介した展示を行う予定です。

歴史文化博物館学芸員 新木慧一

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU