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人推協だよりほっと・あい第224号

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滋賀県愛荘町

■家族相互の人権を考える~多様化する家族の生活体系と世代間コミュニティ~
今日の家族事情は、2世帯住宅や核家族生活など多様な家族スタイルがあり、祖父母や両親、子ども、孫との生活感覚や価値観の違いに悩む家族も少なくはありません。
人は優しさを持ちながらも醜さや弱さも持ち備えています。こうした現実を認知するため、人間が持ち備える欲求不満の処理方策として、「適応機制」(防衛機制)という感情支配の仕方を紹介します。
人は自己の欲求が満たされず、不安や緊張が積もると、満たされない状態を正当化するために、別の方法で欲求不満を解消しようとします。
しかし、欲求が満たされないからといって、自己防衛が優先されると、ストレスに対する耐性が育たないため、自分の言動でどれだけ周囲の人が傷つくかを十分に熟知した上で自己と向き合う必要があります。

(1)「昇華」
仕事や問題解決が上手くいかない場合に、課題の解決から一時外れ、スポーツや芸術等の仕事と異なった価値を選択する、他人には迷惑をかけない行為です。

(2)「同一化」
自己の欲求が満たされないときに、心理的に自分に近い(憧れのある)有名人や他者のファッション等を真似することで、自己を落ち着かせる行為です。

(3)「攻撃」
物や他者に対して、感情をぶつけたり、乱暴したりする行為です。家庭内暴力や組織におけるパワハラのような行動として現れます。また、自傷といった自分自身への攻撃に向き合うこともあります。

(4)「(合理化)投射」
自分の欠点や失敗を認めず、社会的に容認されそうな理由をつけて正当化する行為です。家族の中にこうした責任転嫁で日々を過ごす大人が存在すると、子どもにすり込まれることが多いといわれています。

(5)「抑圧」
過去の不快な記憶が制御され、楽しいことや良かったことだけが思い出せる状態です。脳がトラウマになる体験を思い出せなくさせることで、精神を防衛しますが、全てが制御されているわけではないため、心や身体を病む人が多いとされています。

(6)「逃避」
困難な状況や場面を避けたり、他のことに熱中して問題に向き合うことを避けたりする行為です。悪いことばかりではなく、新たなチャレンジや芸術的な創造力の源泉になることもあります。しかし、自己の損得で課題となる問題に向き合わない大人が家族の中にいると、家族がまとまらず責任を逃れる生活観が定着する恐れがあります。

家庭の課題に直面したとき、他者を分析する前に、自己の機制の現状を確認する習慣を身に付けることが大切です。
また、価値観や能力の決めつけ、解釈や理想の押しつけが家庭の中で横行すると、人間関係が悪化し、風通しの良い対話がなくなります。
今一度家族一人ひとりを思い返し、家族相互の人権を考えてみましょう。

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