■令和6年度ミニ企画展/愛荘町の昔の道具展
令和6年度ミニ企画展「愛荘町の昔の道具展」を2月11日から3月16日まで開催します。その展示資料のうち、今回は「雛(ひな)人形」について紹介します。
3月3日は、ひな祭りです。現在では、女の子が健やかに成長しますように、そして、幸せでありますようにという、あたたかい思いが込められています。しかし、かつては雛人形をその子の身代わりと考え、どうか災いが降りかかりませんようにと祈る思いが込められていました。
ひな祭りは「上巳(じょうし)の節句」ともいい、起源は古代中国の祓(はら)いの儀式とされています。古来中国では、上巳(3月最初の巳の日)のころは季節の変わり目で、災いが入りやすいと考えられていたため、その日は水辺で穢(けが)れを落とし、草で穢れを祓う風習がありました。これが魏の時代(220年~265年)になって3日となり、日本に伝わりました。
その後、日本では平安時代になると宮中などで、和紙や草木で作った人形に体の邪気を移し、海や川に災いを流す「流し雛」が生まれ、日本独自の行事へと変化しました。
また、同時代には、祓いや禊(みそぎ)に用いた「人形(ひとがた)」とは別の小さい人形(にんぎょう)に着物を着せたり、色々な調度を整えて飾ったりする「雛遊び」が貴族の女の子の遊びにありました。
このように、祓いと禊の儀式、それに用いた人形と雛遊びで使われた人形が長い月日の間に重なり合い、江戸時代中期に私たちが知るひな祭りになりました。
本展示では、雛人形のように願いが込められた民具のほかに、先人の知恵や工夫がされた民具も展示します。
場所:歴史文化博物館
人形師 福田東久著『雛まつり親から子に伝える思い』(株式会社近代映画社、2007)
(監修)岩井宏實(編)工藤員功(作画)中村啓治『絵引民具の事典』(河出書房新社、2008)
編 日本民具学会「日本民具事典」(株式会社ぎょうせい、1997)
新村出著編「広辞苑第五版」(岩波書店、1998)
佐藤信弥『古代中国王朝史の誕生―歴史はどう記述させてきたかー』(ちくま新書、2024)
萌文書林編集部編『こどもに伝えたい年中行事・記念日』(萌文書林、1998)
いとよし著『季節の行事といまどきのしつらえ手帳』(株式会社エクスナレッジ、2024)
是澤博昭著『子供を祝う端午の節句と雛祭』(淡交社、2015.)
■愛知中学校卒業展
今年で10回目となる愛知中学校卒業展です。3年生の立体作品や1・2年生の絵画作品など、様々な作品を一堂に展示します。
会期:令和7年2月2日(日)~2月28日(金)
場所:びんてまりの館企画展示ギャラリー、視聴覚室
時間:10時~18時
休館日:月、火曜日、2/23(日・祝)、2/26(水)
主催:愛知中学校、愛知川びんてまりの館・愛知川図書館
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